言葉を味方につける方法

 

前回の記事はまた幾度なりとも挑むが良いぞー世界は決してそなたを飽きさせることはないでした。

今回も小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。前回に引き続き、アーチャー(英雄王ギルガメッシュ)と相対し絶体絶命の危機にあるウェイバーの心象風景となります。

ボクは『生きろ』と命じられた(Fate/Zero)

「……オマエに挑めば、ボクは死ぬ」

「当然だな」

「それはできない。ボクは『生きろ』と命じられた」

そう——死ねないのだ。王に託された最後の言葉を、胸に刻んだ今となっては。

ウェイバーはどうあっても、この窮地を逃れなければならなかった。敵のサーヴァントを前にして、身を守る術とてなく、もはや万事休すの絶望的状況にありながら——それでも決して、諦めることだけはできなかった。そんな風に、あの誓いを蔑ろにすることだけは。

それは、或いは死を受け入れて観念するより、はるかに残酷な責め苦であっただろう。

逃れようもない死を前にして、為す術もなく震えながら、ただ眼差しだけで不屈を訴える少年。その小さすぎる背丈を、ギルガメッシュは無言で見下ろした後、小さく一度だけ頷いた。

「忠道、大儀である。度(ゆめ)その在り方を損なうな」

マスターでもなく、逆徒でもない雑種とあっては、手にかけるだけの理由はない。それが王である彼の決定だった。

虚淵玄『Fate/Zero 6 煉獄の炎』

 

言葉には力があります。その一言が人生を左右したり、在り方に影響を与えたりします。

ただし、それはその言葉を発した人やその時の状況、受け取る側の状態によって大分違ってきます。だから、同じ言葉を聞いても響く人がいれば聞き流す人も出てきます。

 

以下に引用するのが、ウェイバーがライダーとの会話で結果的に遺言となった最後の言葉です。

 

「生きろ、ウェイバー。すべてを見届け、そして生き存えて語るのだ。貴様の王の在り方を。このイスカンダルの疾走を」

虚淵玄『Fate/Zero 6 煉獄の炎』

 

ウェーバーが憧れ尊敬する征服王イスカンダルがウェイバーに最後に託した言葉がこれであり、そこに伝えたい想いが込められているのであれば、この言葉を受け取ったウェイバーの心に刻まれないはずはありません。

 

ある意味では強制されたゴール設定でありマインドセットのように見えますが、受け手がメッセンジャーを心から信頼し、その言葉を積極的に心に刻もうとするのであれば、その言葉は何よりも大切な宝としてその言葉は機能します。

 

それが強力であればあるほど、その言葉は受け手の中で絶対に守らなければいけない聖域となり、その在り方に大きな影響を与えます。それは生きる上での方針や自分の軸を形成したり、自分に対する身体や安定した思考を形成します。

自信

ライダーが倒され、ギルガメッシュと1対1で相対することとなり絶体絶命の危機にあってどうしようもない状態に追い込まれたウェイバーを支えたのは、ライダーから最後に言われた言葉でした。

 

「それはできない。ボクは『生きろ』と命じられた」

そう——死ねないのだ。王に託された最後の言葉を、胸に刻んだ今となっては。

 

ウェイバーを支えたのは『生きろ』という言葉です。ライダーからの言葉が強烈に胸に刻まれたからこそ、何も考えられないような絶望的な状況で『生きろ』という言葉その一点のみにウェイバーの全てが集中します。それは『生きろ』というゴール設定、『生きろ』というマインドセット、『生きろ』という強い使命感であり、想いや感情や行動などが全て『生きろ』という言葉だけを追い求めている状態です。

「言葉」があなたの人生を決める

これこそが嘘偽りのない純度100パーセントの在り方とも言えます。

結果的に、このウェイバーの在り方がギルガメッシュの心を書き換えこの窮地を脱し生き残ることとなりました。

「忠道、大儀である。度(ゆめ)その在り方を損なうな」

ライダーの『生きろ』というメッセージがウェイバーを救ったことになります。

 

言葉というのは、それほどまでに強力に働くことが出来るということです。だからこそ、その言葉を生きていく上での味方とすることが出来れば、人生においてこれほど心強いことはないのです。

 

そういった心強い味方となるような言葉は、ただ単に偉人の名言を引っ張り出してきたり、適当に思いついたアファメーションを唱えることで得られるような簡単な代物ではありません。

 

その言葉に対し、尊敬する師の生き様を感じたり、強烈な情動や臨場感を伴ったり、自分を導く光のように捉えるから、脳と心に刻まれるのです。だからこそ、その言葉はまるで人格を持っているように強い存在感と影響力であなたを書き換えていくのです。

 

ウェイバーはどうあっても、この窮地を逃れなければならなかった。敵のサーヴァントを前にして、身を守る術とてなく、もはや万事休すの絶望的状況にありながら——それでも決して、諦めることだけはできなかった。そんな風に、あの誓いを蔑ろにすることだけは。

 

そういった言葉は誓いのようなもので、簡単に反故にすることが出来ないのです。それを破ってしまえばその言葉に対して申し訳が立たないのです。そう思わせるほどの言葉だからこそ、あなたを支え導いてくれるのです。

 

あなたの師となり、支えとなり、導きとなり、在り方を作り、時には戒めともなる、そんな言葉を胸に刻むことが、あなたのゴール達成や成長を促すために大きな力となります。

あなたの中にあなたに本当に必要な大切なメッセージを刻んでいきましょう。

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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