自分の人生を生きる方法ー自分で決めたルールを守る

 

前回の記事は<タフ>という見出しの項にな~打たれ強さと動じない精神力でした。

 

今回も前回に引き続き、ハードボイルド小説『初秋』(ロバート・B・パーカー著)からの引用でスタートです。

自分で決めた交換条件だ(初秋)

帰る途中、ポールが言った、「どうしてアイスクリームを食べなかったの?」

「自分で決めた交換条件だ。ビールを飲んだらデザートは食べない」

「両方とも、ということはしないの?」

「しない」

「絶対に?」

私は運転しながら大きく胸をふくらませて、重々しい口調で言った、「男は、こうと決めたことは守らなきゃならねえんだ」

『初秋』ロバート・B・パーカー著

 

私たちの周りにはいろいろなルールがあります。

わかりやすいところで言うと法律です。一番身近なところで言うと交通ルールでしょうか。ルールは社会の秩序を守ったり、機能を維持するために役に立ちます。そしてみんながルールを守っていればれば争いごとやトラブルといったネガティブな出来事も少なくて済みます。

 

現代社会におけるルール(規則や法律)は、基本的にはより良い社会とするために定められたものであるので、そのルールに従っていれば問題はありません。しかし、もしこの世界のルールがより良い社会を目指すのではなく、アンダーグラウンド的なルールが制定されていたとしたら、その世界では争いごとが頻発し、ごく普通に明るく楽しく生きていきたいと思っている人にとっては、心休まる時がなく毎日が常在戦場的な生活を送ることになるかと思います。

で、何を言いたいかというと、我々はルールに縛られて生活をしており、良くも悪くもそのルールに支配されているということです。それは法律のような国民全体に対するものだけではなく、条例や校則や会社の規則などのある共同体に限定されたもの、自分が所属しているコミュニティや家族の間でなんとなく共有されているルールというようなものもあります。そして、そのルールに違反しない限りは、その限定された世界の中で安定した生活が守られます。

 

このルールというのは、人間をある方向に誘導していくシステムです。規則を作った人間や組織なりが、自分の組織をこういう場にしていきたい、自分の組織の人間をこう教育していきたいという意図を持って制定したり、そのような雰囲気を作ったりします。

 

私たちは、今まで生きている間に親や学校や会社などから様々なことを学んできましたが、その中にはそのコミュニティ独自のルールが存在していたと思います。その独自のルールはあなたをそのコミュニティの人間として生活させるためのルールですが、それは同時にそのコミュニティに支配させるためのルールでもあります。

 

あなたはその独自のルールに対して、最初は違和感を感じたはずです。しかし、そのコミュニティの人たちは皆そのルールに従っており、そのためそうするのが当たり前なのだという逆ホメオスタシスが働くことで、なんとなく同調させられ、しばらくたつとそのルールに従おうと意識しなくても無意識にそのルールに従った行動を取るようになります。

 

これが他人の決めたルールで生きていく人間の作り方の見本のようなものです。そして、このような他人からルールや価値観の刷り込みが積み重なり、それらをあたかも自分の意思であるかのように思い込んで生きることを「他人の人生を生きる」と言います。

 

「他人の人生を生きる」とは、他人の決めたルールに従い、それを繰り返し行い、無意識にそれをするようにすることです。

 

であるなら、「自分の人生を生きる」とは、どういうことでしょうか?

それは簡単なことです。

 

自分で決めた交換条件だ。ビールを飲んだらデザートは食べない

 

「自分の人生を生きる」とは、自分の決めたルールに従い、それを意識して繰り返し行い、無意識でそれが出来るようにすることです。

 

「自分の人生を生きる」とは、他人の決めたルールに従うのではなく、自分が決めたルールに従う。ただそれだけです。

 

男は、こうと決めたことは守らなきゃならねえんだ

 

自分のゴールに基づき、自分のルールを決める。そして、後はそれに従うだけ。「自分の人生を生きる」ためには、他人の決められたルールに支配されるのではなく、自分の決めたルールに自分が支配される必要があるのです。

 

自分で決めたルールを守ることが出来る人が、自分を理想の自分へと書き換えることが出来るのです。

初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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