自分らしく生きるために
前回の記事は「こういうのオマエ流に言うなら『心が躍る』ってやつなのかな」でした。
今回も小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。アーチャー(英雄王ギルガメッシュ)とライダー(征服王イスカンダル)が一騎打ちを前にして言葉を交わしあった場面です
存分に己を示せよ征服王(Fate/Zero )
「生憎だがな。我は二人目の友など要らぬ。我が盟友は後にも先にもただ一人のみ。——そして、王たる者もまた二人は必要ない」
そんな断固たる返答に、征服王は落胆の色すら見せず、ただ静かに頷いただけだった。
「孤高なる王道か。その揺るがぬ在りように、余は敬服をもって挑むとしよう」
「良い。存分に己を示せよ征服王。お前は我が審判に値する賊だ」
二人の王は互いに最後の酒を呷ると、空に干した杯を捨て、踵を返した。両者はそれきり二度と振り返ることもなく、お互いにもといた橋頭へと戻る
虚淵玄『Fate/Zero 6 煉獄の炎』
多くの人は自分の人生を自分らしく生きていたいはずです。誰も好き好んで人の言いなりになったりやりたくもないことをしたくはありません。他人や世間に従うのではなく、自分の意思に従ってやりたいようにやっていきたいはずです。
自分らしく生きていくということを簡単に言うと、自分がこう在りたいと思っている自分を表現していくことです。自分の生き方や在り方が、自分の理想とする自分自身と重なっているということです。
人生とは、自分を作っていく作業のようなものです。私たちは自分という作品を作り上げていく芸術家です。知識を身に付け、またさまざまな経験を重ねる中で自分を作っているのです。
その中で、向上心があったりより良い自分を求める人は、より高い理想を掲げその理想に近づけるべく自分という作品を作っていきます。そして自分がこう在りたいと選んだ理想とする生き方や体現します。
自分の在り方が決まってくるとピンチの時やいざという時に迷いが少なくなります。なぜなら、その場面で自分の在り方を示せばいいだけだからです。自分の在り方が決まっていれば答えはおのずと出てきます。
引用文では、アーチャー(英雄王ギルガメッシュ)とライダー(征服王イスカンダル)は一騎打ちを前にして互いの在り方を確認し、互いが相手の在り方を尊重するかのような言葉を交わします。
「孤高なる王道か。その揺るがぬ在りように、余は敬服をもって挑むとしよう」
「良い。存分に己を示せよ征服王。お前は我が審判に値する賊だ」
これは自分が理想とする在り方を貫いた者同士だからこそ、わかりあえる世界です。自分の理想を掲げその理想の自分に追いつき理想の自分を体現してきた者だからこそ、考え方は違えどその在り方に敬意を表します。そして、相手に敬意を表しながらも自分は自分の在り方を貫きます。
いざという時に自分の在り方を貫けるのは、自分がその在り方を信じているからです。自分が積み上げてきた在り方がその人に自信を持たせます。今までの知識と経験から自分が一番理想とする自分を作り上げてきた自信があるから、その在り方を示せばいいという確信があるのです。
自分の在り方を決めるということは、自分の生き方の方針を決めるということです。何を大事にして生きるのか、どういう生き方をしたいのかを明確にします。自分の理想があってその在り方であろうとしているならば、そのうち腹も座ってきます。下丹田に気(エネルギー)が満ちて、迷いのない安定した精神状態が維持されるようになります。
逆に自分の在り方がわからず他人や世間の顔色を伺っているような生活をしていると、下丹田に気も集まらないため精神状態も安定せず、ストレスにやられやすくなってしまいます。
だから在り方なのです。どんな生き方をしたいのかを自分に問いかけ続けて欲しいのです。そして理想の自分の在り方を演じていくことです。最初は意識して理想の自分を演じる役者となることです。演じ続けることで理想の自分が本当の自分となっていきます。
美徳を身につけていないのなら、せめてそのフリをしなさい。
ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』
そうやって自分で自分を作っていくのです。そうすると今までの自分史上最高傑作の作品が毎日更新されていきます。毎日少しずつでも更新されれば数年後には大きく成長した自分になっています。演じていた在り方があなた自身となってくるのです。
自分という作品をどう作り上げるかはあなた次第なのです。
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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。