前回の記事は『手触りが無意識に与えている影響』でした。
重さが無意識に与えている影響
吊り橋を渡る時の恐怖のドキドキが目の前にいる人に対する好意のドキドキとつながる。
飲み物の温かさが目の前にいる人に対する温かい人という評価につながる。
手触りの硬さ柔らかさの感触が目の前にいる人の印象につながる。
前回前々回で説明したように、物理的な感覚がそのまま目の前にいる人に対する比喩的な表現とリンクする無意識の働きがみられます。
ようは無意識でそれらの区別がついていないということです。
だから物理的な感覚に無意識が影響され、人が何の思考や行動に気づかないとこでバイアス(偏見)が、かかったりするのです。
で、今回は重さについて、それが私たちの無意識にどのような影響を与えているかについてお話します。
前回前々回同様、参考書籍としてタルマ・ローベル著『赤を身につけるとなぜもてるのか?』からの引用を活用します。
重さによる影響
第3章 重さーバックパッカーが旅に魅せられる理由 まとめ
(研究内容を省略)
【結論】
・物理的な重さを感じると、目の前の物事に対する重要性も増す
・重要なものを手に持つと、それを実際より重く感じる
・心に重荷を感じると、体も重く感じる
【応用】
・履歴書やレポートには重い紙を使おう
・また、重さのあるフォルダーに挟んで提出しよう
・重いものを持っているときになにかを決める場合は、立ち止まって「なにも持っていなくても同じ判断をするか」を考えてみよう
・深刻な秘密は日記に書いたり、誰かに話したりして、その重みを軽くしよう
タルマ・ローベル著『赤を身につけるとなぜもてるのか?』
結論からいえば、物理的な重さが、精神的な重さにつながってくるという話です。
また、逆に精神的に思い悩みや秘密を抱えていると、それは物理的な重さとは全く関係のないはずなのに、実際に体が重く感じられるようにもなります。
「重要」「重鎮」「重荷」「肩の荷が下りる」などのような重さに関係する表現がありますが、これら重さについてもまた、無意識では物理的な重さと比喩的な重さの区別がついていないということがいくつかの実験で証明されています。
私たちは重いものを持つと、無意識にそれを重要なものだというバイアス(偏見)がかかっているということです。
本に掲載されている実験では、履歴書でもレポートでも同じような内容ではより重い方が評価が高まるという結果が出ています。もちろん履歴書やレポートの内容とその物理的な重さが評価には何の関係もないことはそれをチェックする方も百も承知のはずですが、無意識に重い方に重要性を感じてしまうバイアス(偏見)がかかり、物理的に重い方が高い評価を得る結果となっているのです。
また逆に同じ重量の書類でも、これは重要な書類だと言われて渡されると、何も言われず渡されるときよりも、体感的に重く感じるという実験結果も出ています。
で、この重さで肝になるポイントとして覚えておいてほしいことは、心に抱えている不安や重要な秘密などが、実際に心を重くし物理的な体感とての身体に負担をかけてしまうということです。
平たく言えば、精神的なストレスが肉体に影響を及ぼすということです。
で、この本ではその解決法として、自分の中にある不安や秘密を外に出してしまうことをすすめています。
荷物と同じ感覚です。抱えているから重いのであって、手放しておいてしまえば身体は楽になります。
無意識は物理的感覚と比喩的な表現の区別がついていないので、自分の中にある不安や秘密を外に出してしまえば身体の負担も実際に軽くなるという実験結果も出ています。
で、自分の中にある不安や秘密をどうやって外に出すかといえば、日記に書いたりセラピストや親友に話したりと自分が信頼できるところを利用します。そうすることで実際に体も楽になり心も楽になりやすくなります。
心の中にたまっているものを吐き出すと楽になると良く言われますが、実際にその通りだということです。
悩みや秘密を抱えている人はそれらを重い荷物とみなして、自分の心から一度外に出してみましょう。また悩みに気づいた時点でそのたびに外に出すようにしてしまいましょう。出してしまうことで無意識が身体を軽くするような働きをしてくれるはずです。(たぶん)
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。