トリガーを使って理想のセルフイメージを心と身体に刷り込む方法

 

前回の記事は「慣れていないうちは空気が読めずに浮いてしまう~まずは慣れること」でした。

 

今回も、小説『Fate/Zero』の引用からスタートです。前回に引き続き7人の魔術師マスターのひとり、雨生龍之介の心象風景の模写からの引用です。

豹という獣はあらゆる意味で彼の規範になるCOOLな生物だった(Fate/Zero)

あるとき、彼は動物番組で豹(ひょう)を見て、その優雅な身のこなしに魅せられた。鮮やかな狩りの手口には親近感さえ覚えた。豹という獣は、あらゆる意味で彼の規範になるCOOLな生物だった。

それ以来、龍之介は豹のイメージを自意識として持ち合わせるようになった。つねに衣服のどこかには豹柄をあしらった。ジャケットやパンツ、靴や帽子、それが派手はですぎるようなら靴下や下着、ハンカチや手袋の場合もあった。琥珀色の猫目石(キャッツアイ)の指輪は、中指に塡めないときでも常にポケットに入れておき、本物の豹の牙で作ったペンダントも肌身離さず持ち歩いた。

虚淵玄『Fate/Zero』第1巻

 

理想の自分を思い描く時に、一番手っ取り早いのは実際に存在する人物を理想のお手本として設定してしまうことです。実際に存在すると書きましたが、過去の偉人であるとか、小説、漫画、アニメなどの登場人物でも構いません。あなた自身がその対象に臨場感を持っていればいるほど、お手本としての臨場感も上がります。

 

考え方であるとか、立ち振る舞いであるとか、姿かたち、洋服のセンス、能力、しゃべり方、醸し出す雰囲気など、そいうったことが頭の中だけで想像でしたことを理想として追いかけていくよりも、実際にお手本としての手本があった方が、自分のイメージもはっきりするし、真似をするということも出来ます。

 

あるとき、彼は動物番組で豹(ひょう)を見て、その優雅な身のこなしに魅せられた

 

自分の理想であるとか、夢、ゴールとしてやりたいことなどは、頭であれこれ考えてひねり出すというよりも、直感的にビビットきて前のめりになる感覚です。子供が、おもちゃ売り場の前であるおもちゃに眼がくぎ付けとなりその場から離れられなくなるような感覚です。

 

「あっ!この人すごい!!」

「あっ!自分もこうなりたい!!」

 

論理や理屈ではなく、あなたの中の本能が直感的に求めているモノ。理想とする自分やゴール設定がそのようなモノであるからこそ、心も身体も喜んで推進力を働かせるのです。

 

それ以来、龍之介は豹のイメージを自意識として持ち合わせるようになった。

 

そして、あなたが理想の自分としたいイメージを見つけて、実際にそうなりたいと思うのであれば、その理想のイメージをあなたの自意識とみなして常に意識しておくことです。それは今までの過去の自分のままの行動を繰り返すのではなく、未来の理想の自分のイメージで今を行動するということです。

 

とはいえ、常に意識し続けるというのは、言うほど簡単ではありません。そのことばかりを考え続けているわけにもいかないし、何より人は無意識に今まで通りのパターンを繰り返すように出来ているからです。

 

では、どうすれば理想の自分を意識に上げられるのか。どうすれば効率的に理想の自分へと書き換えすることが出来るのか?

 

つねに衣服のどこかには豹柄をあしらった。ジャケットやパンツ、靴や帽子ぼうし、それが派手すぎるようなら靴下や下着、ハンカチや手袋の場合もあった。琥珀色の猫目石(キャッツアイ)の指輪は、中指に塡めないときでも常にポケットに入れておき、本物の豹の牙で作ったペンダントも肌身離さず持ち歩いた。

 

その方法のひとつがトリガーを使うことです。トリガーとはあることを思い出すきっかけです。トリガーを使うことを簡単に言えば、カンニングペーパーを用意しておくということです。(そうなのか!?)

 

例えば、忘れてはいけない大事な用事を後で忘れずに思い出せるように自分の目につくところにメモを書いて張り付けたり、自分の手に直接書き込んだりするのもトリガーです。ようは思い出せれば何でもいいのです。

 

雨生龍之介は、豹(ひょう)の優雅な身のこなしに魅せられた後に、豹を自意識として持つとともに、いつでも豹を意識に上げられるようにトリガーをたくさん用意しました。そのトリガーというのが、自分の普段身に付けるモノや目にするモノ、洋服や小物、アクセサリーなどを豹柄をあしらったものにするということです。

このように徹底して豹柄を目にする機会を作ることで意識に上がるようにしています。この場合、豹柄がトリガーで、豹をイメージとする自意識が上がることがアンカーになります。

 

また、この方法だと常に目に映るようになるため、たとえ意識していなくても無意識が情報を取り込み勝手に書き換えをしてくれるようになります。さらに気の観点からも身に付けている色などのイメージが、その人の無意識を書き換えることにもなります。

 

自分の意識だけでどうにかしようとして出来ないこともないですが、それよりも自分の目につくところにトリガーをたくさん作って、自分の無意識の書き換えをフォローするような環境づくりをすることが、自分の理想のイメージに近づくために有効な方法であるということは間違いありません。

 

頭を使って工夫すれば、自分が意識し続けたいことを自分に刷り込む方法はいくらでもあるのです。

Fate/Zero(2) 英霊参集 (星海社文庫)

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

おすすめの記事