前回の記事は何をすべきかだけで動くようになったらそれはただの機械(Fate/Zero)でした。

 

自分に正直でない人間ってやつが、いつも屈託を抱えこむ。つまりストレスってやつだがね(風の中の女)

 

「とにかく、あたしはあたしでやります。それが、村川典子にしてやれることですから」

「わかった。それはいい。ところで、今夜は夕食の約束でも?」

「どういう神経をしてるんですか?」

「自分に正直なだけさ。自分に正直でない人間ってやつが、いつも屈託を抱えこむ。つまりストレスってやつだがね」

北方謙三「風の中の女」

 

前回に話しましたが、私たちは子供の頃から「こうすべきだ」「こうすべきではない」と周りから教育されてきて、大人になった今でも、必要以上に「こうすべきだ」「こうすべきではない」ということに縛られている人が多いように見えます。

 

そして「こうすべきだ」「こうすべきではない」というあなたの中にある基準が、あなた自身が決めたことではなく、ほとんどが世間の常識や他人から押し付けられた情報ではないかと思われます。

 

世の中には、他人から押し付けられた情報であっても、押し付けられたとは気づかずに「こうすべきだ」「こうすべきではない」ということを当然のこととして暮らしている人はたくさんいます。ある意味、このような人たちは幸せなのかもしれません。

 

極端な話になってしまうかもしれませんが、洗脳されている人が洗脳されているということに気づかなければ、何の疑いもなく「こうすべきだ」「こうすべきではない」をやり続けることが出来るからです。何も余計なことは考えずに、機械として自動的に動くに任せていれば良いのです。

 

しかしながら、幸か不幸か、世間が押し付けてくる「こうすべきだ」「こうすべきではない」ということに疑問を持つようになる人がいます。まぁ気づいてしまったということです。「これって何かおかしくないか!?」と。

 

そして、いったん気づくと、次から次に気づき出します。マタイ効果が働くのです。

富める者はますます富み、貧しき者は持っている物でさえ取り去られるのである

新約聖書マタイ伝13章12節

 

そして、機械がだんだん人間らしさを取り戻していきます。

しかしながら、気づいてしまったばっかりに、今まで通りには行動できなくなってしまいます。なぜなら、自分のしていることと自分の気持ちが一致しなくなっているからです。認知不協和が起こります。

 

ここで、さらっと自分の気持ちを優先することに切り替えられる人はあまりいません。ほとんどの人は自分の本当の気持ちに気づきながらも、その気持ちに嘘をついて今までと同じように振る舞います。

 

自分自身に嘘をつくということは、我慢をしていることであり、心を閉ざす必要もあり、心も身体も緊張状態にしてしまいます。そしてこの緊張状態がストレスの原因となります。

基本的にストレスとは、あなたの心身を消耗させます。(成長するための負荷はまた別の話になります)ストレスは情報ですが、その情報が肉体という物理を書き換え健康を損なうことがあります。またそのストレスを解消するために、食欲やギャンブルなど他の欲望にのめりこみ、さらに自壊の道へと進んでしまうこともあります。

 

このような状況を打破するために有効な手段として極端な2つの方法があります。

ひとつは、徹底して自分を押し殺し機械として生きていくことに徹すること。

もうひとつは、自分に嘘をつくのをやめて自分に正直に生きるようにすること。

 

「自分に正直なだけさ。自分に正直でない人間ってやつが、いつも屈託を抱えこむ。つまりストレスってやつだがね」

 

人は、自分のやりたいように楽しく生きていればストレスは感じません。自分の自由意思が押さえつけられたり、いやなことを強制させられたりすれば、それが子供だろうが大人だろうがストレスを感じ心身を消耗させてしまいます。

 

子供は自分で生活環境を変えることは難しいですが、大人であれば自力で変えることは可能です。だから機械として自分の感情を押し殺して生きるか、自分の気持ちを出来るだけ優先させて生きるかは自分自身で選択できます。

 

そして、いつも言うことですが決めるのは自分自身です。あなたの人生、あなたの好きなようにデザインしてください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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