前回の記事は生き延びて、必ず帰る(月の影 影の海)でした。

環境を変えることが自分を変える一番の近道

『月の影 影の海』の主人公・陽子は過酷な環境で生き延びているうちに、強く逞しく成長していきます。それは陽子が好き好んで飛び込んだ世界ではなく、訳の分からないまま、なかば放り込まれてしまった世界でした。

 

そんな環境の中では、陽子が日本で暮らしていた時のようなマインドのままでは、とうてい生き延びることは出来ません。

 

無理やりにでも自分を変えていく必要が出てきます。

 

しかし、人は自分の意思で自分を変えるということが不得意です。なぜならホメオスタシスという現状維持を最適化する機能が働いて、無意識に自分が変わることに抵抗して元の自分に戻そうとしてしまうからです。

 

意思という精神的なことは努力と根性で何とかなると思われがちですが、逆に自分の意思ほどあてにならないものはないのです。

 

あてにならないものをあてにして、挙句の果てには「何で自分はこんなに意思の力が弱いんだ」と嘆いたりしますが、もともと人はそういう生き物であるのです。

 

調子の良いときもあれば悪いときもあり、気合の入っている時もあれば気合が抜けてるときもあり、体調の良いときもあれば悪いときもあるのです。そしてネガティブな状態にある時は当然ながら意思の力も弱いのです。それはあなただけではなく誰しもがそうです。

 

もしあなたが自分の状態に関係なく強い意志を発揮できる人であるならば、どこの世界にいようともすでに力を発揮して活躍されているはずです。で、たぶんそんな特殊な意思の力を持ってないから自分を変えたいと思い悩んだりもするのです。

 

だから自分を変えたいと思う時は、意思の力という根性論的な考え方は極力排除して、変える方法をデザインしていく必要があります。

 

意思の力という根性論的な考え方を排除した自分を変える方法で、効果の高い方法は2つあります。

 

ひとつは環境を変えること

もうひとつは習慣を変えること

 

このブログでも自分を変える方法については何度か説明していますが、基本的にはこの2つに集約されます。

 

そして、この2つの中でも特に強力なのが環境を変えることです。

 

とはいえ環境を変えるという方法でも意思の力は必要とはなります。しかしそれはそれをしようと決めてはじめの一歩を踏み出すまでです。

 

はじめの一歩を踏み出し、その環境に入っていったらやり続けるしかないという状況にすることにより、意思や根性に頼ることなく自分を変化させることが出来るのです。(まぁそれでも意思や根性が必要な場面もなくはないですが、それに頼ることを極力少なくするということです)

 

最も強き者、最も賢き者が生き残るわけではない。唯一生き残る者、それは変化できる者である。(チャールズ・ダーウィン)

 

私たちにはホメオスタシスという現状維持装置がありますが、それがなぜ存在しているのかと言えば、その状態でいることが楽だからです。楽に生きていけるためです。

 

しかし環境が変わったことで、今までのホメオスタシスでは楽に生きていくことに合っていないと脳や無意識が判断すると、その環境で生き残るために最適なホメオスタシスを設定しなおし、その新しいホメオスタシス側に脳や無意識が引っ張ってくれるようになります。さらに自分でも意識してその環境に合わせようとします。

 

簡単な例で言えば、季節の変化によって身体の状態が変わり、着るものも変わっていくようなことです。寒くなったのに真夏と同じ格好をしていたら、快適には生きられません。

極端な話ですが、1920年代にインドで生後何日かで狼に連れ去られ育てられた少女が発見されましたが、その少女は脳の働きから、歩き方、食べ方、唸り声まで獣のようになっていました。

 

そのくらい、私たちのホメオスタシスは環境に適応する力があります。

 

陽子や狼少女のように無理やりその環境に入れられてもマインドやホメオスタシスは大きく変わらざるをえないのだから、自ら進んでそうなりたいと自分が望む環境に自ら飛び込むことが出来れば、他のどの方法を使うよりも自分を自分の思い通りに変える可能性は高くなるはずです。

 

その環境に入り、そこで生き残ることに必死になれば、変わらざるを得ないということです。

 

今まで真面目に自分が頑張って何とかしようと思っていた人であれば、環境の力を利用する方法を活用する方法を併用すれば、変化する速さがさらに加速するはずです。

 

自分の成長に相応しい環境作りという考え方も、成長のためのアイデアとしてとても重要なのです。

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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