前回の記事は無意識はいろんなことに影響を受けているでした。

 

温度が無意識に与えている影響

私たちは周りからの影響によって思考や判断に対し知らず知らずのうちにバイアス(偏見)がかかっています。しかもそのバイアスの多くは無意識の働いているので、本人はその思考や判断が周りからの影響を受けたものであることに気づいていません。

 

吊り橋効果というのがあります。

 

吊り橋を異性の人と2人で渡ったとします。その吊り橋が危なっかしい吊り橋だったので、渡る時に不安な気持ちや緊張感から胸がドキドキしてきます。

その胸のドキドキに対して本人の意識ではそれが吊り橋に対する不安からきていることがわかっているのですが、無意識の方ではそのドキドキの感情の原因を目の前にいる異性のことと勘違いして情報処理をしてしまう場合があります。

 

無意識では胸のドキドキが目の前の女性に惹かれているからドキドキしているのだと認識してしまう可能性があるということです。

 

まぁ脳はそれほど賢い器官ではなく、ご主人様の意図とは違う判断をしていることも多々あるということです。

 

遊園地のお化け屋敷やジェットコースターのドキドキでも同じようなことが起こります。

 

また、何かを一緒に成し遂げた喜びや楽しいことをした時の感情に対しても、それを無意識が目の前にいる人に対する好意の感情だと勘違いして認識し、カップル成立までいくケースも出てきます。

 

これらは、本人の気づかないところで無意識の介入が働き、好意を寄せるように誘導されている典型例です。

 

吊り橋効果はとても有名な話ですが、もっと身近なところでも、私たちが五感で感じるささいなことが、無意識に対し実際にいろいろな影響を与えています。

 

では、実際にどのような影響を受けているのでしょうか?

 

ということで今回から数回、タルマ・ローベル著の『赤を身につけるとなぜもてるのか?』を参考に、私たちの無意識が影響されやすい事例をお話していこうと思います。

1.温度による影響

 

第1章 温度ーアイスかホットか まとめ

(研究結果を省略)

【結論】

・物理的に温かさを感じると、対人関係で感じる温かさも増す

・孤独は本当に「冷たい」が、温かいものを持てば気持ちはやわらぐよくなり

・物理的な温かさを感じると、気前がよくなり、人への信頼が強まる

【実践編】

・デートや商談、交渉の時は相手に温かい飲み物を飲ませてみよう

・会議やパーティをおこなうときは、部屋を暖かくしておこう

タルマ・ローベル著『赤を身につけるとなぜもてるのか?』

 

温度の温かさが私たちの思考や判断に無意識のうちに影響を与えているという話です。

 

たとえば、飲み物が温かければ目の前にいる人を温かい人だと感じやすくなり、飲み物が冷たければ冷たい人だと感じやすくなるということが、研究結果としても提示されています。

 

飲み物が温かいか冷たいかというのは物理的感覚です。

 

それに対し、ある人が温かい人か冷たい人かというのは比喩的な表現でありその人に対するイメージです。だから実際にその人の体温がどうとかは一切関係のないことです。

 

しかしながら、脳の無意識は実際に物理的感覚で感じた温かさを、目の前にいる人のイメージとしての温かさを結び付けて、自分の気づかないところで情報処理する傾向があります。

 

吊り橋効果と同じように、脳の無意識が勝手に結び付けて情報処理しているのです。

 

同じように冷たい飲み物であれば、無意識が目の前にいる人を冷たい人のイメージで捉えてしまう傾向があるということです。

 

また、温かい飲み物にはその本人の気持ちも変化させる働きがみられます。(冷たいのみものにも)たとえば、温かい飲み物を飲むと、単純に気持ちが温かくなりやすくなったり安心しやすくなります。

 

これは物理的な温かさを感じることで、本人の気持ちや感情も温かいイメージに変化しやすくなるということを表しています。

 

ということは、落ち込んだ時とか不安な気持ちの時に温かい飲み物を飲むことが有効であるということもうなずける話になります。

 

このように物理的感覚における温度の温かい冷たいと、比喩表現としての温かい冷たいを結びつける働きが無意識に働いており、あなたの思考や判断、行動に対して気づかないところで影響を与えています。

 

温度によってバイアス(偏見)が働いているということです。

 

それを他人が意図して使っている場合は、他人の思い通りに誘導されている可能性があります。もちろんこれひとつでどうこうではないですが、こういう知識は知っている人は他にもいろいろ知っているし使ったりもしていますが、知らない人はまったく知りません。

 

このような無意識に働く影響を知識として知っておくことで、周りからの仕掛けに気づいて冷静な目で判断できるし、自分の生活にも応用することが可能になります。

 

これから数回に分けて、『赤を身につけるとなぜもてるのか?』を参考に、私たちが無意識に周りから受けている影響について話していこうと思います。

赤を身につけるとなぜもてるのか?

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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