前回の記事はひとつの方法を決めてそれだけをやるでした。

 

今回は抽象度の話しです。抽象度って何でしょうか?

最近はいろいろなところで抽象度が高いとか抽象度が低いとかよく使われるようになりました。抽象度という言葉は認知科学者の苫米地英人さんの造語です。これは物の見方の尺度のようなもので、どの視点から物事を捉えているのかということです。

 

少しわかりやすく説明すると

抽象度が高いということは視点が高い=視野が広い=抽象的

抽象度が低いということは視点が低い=視野が狭い=具体的

 

例えばあなたが東京スカイツリーにいたとして上に上る前の地上から周りを見る景色と高さ450mの天望回廊から見る景色では見えている範囲や印象がまったく違います。もちろん高さ450m天望回廊からの方が視界が広く多くの物を視界に捉えることができます。そのかわりにひとつひとつ具体的なこと、例えば歩いている人がどういう人かだとか、お店で何が売られているのかといったことは当然ながら地上から見た方がわかりやすいのです。

ということは抽象度が上がるということは、より視野が広くなるということです。

 

でも、抽象度が高くても具体的にわからなかったら意味なくないですか?といった疑問も出るかもしれません。まぁその疑問が出ること自体抽象度が低いのですが、この点について念のため説明しておくきます。

 

抽象度は上げることはすごく大変です。しかし自分の高さから下に移動するのは簡単です。まぁ抽象度をIQ(頭の良さ)と置き換えてもらえたらわかりやすいですが、数学のとんでもなく難しい問題を解いている人はそれよりもレベルの低い足し算も引き算も掛け算も割り算も方程式も三角関数や微分積分でさえ鼻歌交じりに解いてしまいます。これが逆に足し算引き算を覚えたばかりの人が微分積分を覚えるということになるとそれまでに何段階もの階段を上っていかなければいけません。この階段が抽象度の階層のようなものだと思ってもらえるとわかりやすいかと思います。上から下に下りることは出来ますが下から上に上がることは大変だということです。

 

要は抽象度の高いところにいる人からは低いところを見ることができますが、抽象後の低いところにいる人は高いところのことを見ることができません。ここでいう見るとは理解するという意味です。自分のいる抽象度よりも1段上くらいのレベルだと難しいと思うくらいですが3段くらい上のレベルのことになると理解不能となり視界にすら入ってこなくなります。

 

だからコーチングでは抽象度を上げることが重要になります(気功もですが)。なぜなら自分を成長させるということは、それはそのまま抽象度を上げるということにつながるからです。

 

ノーベル賞を受賞した有名な物理学者であるアルベート・アインシュタインの言葉に『我々の直面する重要な問題は、その問題を作ったときと同じ考えのレベルで解決することはできない』があります。これは問題を解決するには自分の考えのレベルを上げる必要があるということを言っています。考えのレベルを上げるということはそれはすなわち抽象度を上げて見るということです。

抽象度を上げるといってもたぶんピンとこない人も多いかと思います。逆に抽象度は上がるよりも下がる方が私たちには馴染みがあります。抽象度が下がる時を具体的に言えば、普段に比べて正常な判断や行動ができなくなることです。あなたは周りの人の抽象度が上がる時を見ることはあまり機会がないでしょうが、抽象度が下がる時を見る機会はみなさんたくさんあるはずです。

 

怒っている時や落ち込んでいる時、焦っている時や緊張している時、酔っぱらっている時や理性を失っている時に考えられないようなミスをしたり粗相をしたり後で後悔するような行動を取ったりしてしまいます。これらは大変よろしくないIQの下げ方であり、抽象度が低く狭い視野でしか物事を捉えられなくなっている状態です。

 

こう説明されるとあなたの周りにサンプルとなる人がいると思うので、抽象度が下がるイメージがつきやすいかと思います。

 

まぁもし抽象度を上げたいと思うのであれは、この逆をやればいいわけです。そうすれば普段から広い視野で物事を捉えることができ、自分の問題の解決方法を見つけることができ、自分を成長させることも可能となるわけです。(いやいやこの逆って言われても困ると思いますが)

 

では、どうしたら抽象度を上げることができるのでしょうか?

 

といったところで、そろそろお時間となってしまいましたので続きはまた次回という事で。

 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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