タフであれー打たれ強さと動じない精神力

 

前回の記事はぼくには出来ないことばかり叶わないことばかりです②でした。

 

今回は、ハードボイルド小説の名作『初秋』(ロバート・B・パーカー著)からの引用でスタートです。

<タフ>という見出しの項にな(初秋)

「この一件で、おまえはひどい目に会うことになる、そのことを忘れるな」

私が言った。「名はスペンサーだ、サーの綴りは、詩人と同じようにSだ。ボストンの電話帳に載ってるよ」外に出てドアを閉めた。また開けて中に首を突っ込んだ。「<タフ>という見出しの項にな」ドアを閉めて階段を下りた。

ロバート・B・パーカー『初秋』

 

生きていれば、いろいろなことがあります。それはいいことばかりというわけにはいかず、あなたにとって、いやな気分になることもしばしば起こります。(ここでは、何が起こってもポジティブに考えよう、というような考え方や議論は脇に置いておきます)

 

自分自身に起きることは全てが自分にとって都合のいいことであってほしい、というのが多くの人の望んでいることだと思います。しかし実際の所、ほんの些細なことから、何日間も頭を悩ますような大きな問題まで、次から次へと何かしら都合の良くないことというのが目の前に現れます。

 

気功やコーチングを学ぼうが、金持ちになろうが、大統領になろうが、嫌なことというのは目の前に現れます。問題は、その嫌なことに対してどう対処するかということです。要は、嫌なことをずうっと引きずっているか、それともすぐに気持ちを切り替えられるのかということです。

 

私たちの感情は無意識に出てくるので、それを止めることはできません。また感情は本当の気持ちを知らせてくれる機能なので、出てくる感情自体にいいも悪いもありません。

 

そして、無意識に出てきた感情は5秒前後しか持続しません。本来、自然に沸き起こる感情というのはほんの数秒で終わっているのです。だから、それ以上に感情が持続しているとしたら、それは自ら意識してその感情を作り出しているということになります。いい悪いは別にして、本人の意思でその感情の余韻に浸っているのです。

 

そして、その感情がネガティブな感情であれば、それが続くことで精神的に負担がかかり身体にも悪い影響が出てくるようになります。なので、ネガティブな感情はなるべく早く消してしまう必要があります。それが感情をコントロールするということです。

ではネガティブな感情が出てきたときに、具体的にどう対処すべきか?

 

ネガティブな感情が出てきたときは、心も身体も緊張しています。なので、まずはその緊張を解きます。そのためにすることはリラックスです。

 

リラックスするための簡単で手っ取り早い方法は、深呼吸です。緊張状態の場合は息を吐く時間が短くなっているので、意識して息を吐く時間を長めにして深呼吸をします。

 

深呼吸してリラックス出来ていると、緊張で頭に上っていた血液も循環して下に下りてくるので頭が働くようになります。頭が働けば、感情に捉われている状態を解除して理性的または論理的な対処方法を考えることが出来ます。

 

ただし、深呼吸してリラックスしようとしても不安な気持ちがおさまらなかったり、嫌な気持ちが続く場合もあります。そんな時は下丹田を作り気持ちを安定させましょう。下丹田は下っ腹の部分です。物凄く簡単に言えば、その下っ腹を意識することです。

下丹田の作り方の参考記事
丹田(下丹田)を作ろう
丹田(下丹田)を作ろう②

 

とはいえ、いざという時にいきなり下丹田と作れと言われても、なかなか出来ることではありません。こういうことは日ごろから作れるようにしておくことで、いざという時にそれが使えるのです。

 

悟りの境地にでも達しない限り、いくらお金を稼ごうといくら偉くなろうとも、あなたの感情が常にポジティブであり続けるということはありえません。ただし感情のコントロールをすることであったり抽象度を上げる観ることで、ネガティブな感情を早々に解除し理性でポジティブな行動へと切る変えることが出来るようになります。

 

<タフ>という見出しの項にな

 

タフになるとは身体を鍛えることだけでなく、精神的にも打たれ強いことが含まれます。そして、精神的に打たれ強いとは、ネガティブな感情が起こるような現象に対して、感情のコントロールをすることによってネガティブを引きずらずに淡々と理性的に対処できることが必要です。それが打たれ強いということであり、何が起きても動じない精神力というものです。決して、ただの鈍感ではありません。

 

また、感情のコントロールには、自分の頭の中の理性や論理だけでなんとかするよりも、呼吸や気功の下丹田のように身体を使うことで、より効率的に解決することが出来るということを覚えておいてください。

初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

おすすめの記事