前回の記事は牙をなくしちゃなんねえ。いざという時にゃ、牙を向けるのが(牙)でした。

 

今回も前回に引き続き、北方謙三氏の小説「牙」からの引用です。

俺が負けねえと思っている間は、負けはしねえんだ(牙)

やられちまったよ、じっちゃん。牛みてえにやられちまった。だけど、負けねえぜ。わかったよ。俺が負けねえと思っている間は、負けはしねえんだ。

北方謙三『牙』

 

「諦めが肝心」と言われることがあります。また逆に「簡単に諦めるな」と言われることもあります。これは言っていることは反対ですが、どちらかが間違えているわけではありません。

 

ひとつのことにこだわって執着するあまりに、周りが見えなくなり他のチャンスを逃したり時間や労力を無駄にしてしまうことがあります。そしてその執着をなくすことで、別な方法が見えたり逆に人生が上手く回るようになったりします。「諦めが肝心」とは、このような形で視野を広げ気持ちを切り替える意味合いがあります。

 

何かに成功したり、大きな物事を成し遂げるには、一朝一夕には進みません。その目標に進んでいる間には、うまくいかずに失敗したり壁にぶち当たって悩んだりすることも当然でてきます。そして目標を達成するためには、それらを乗り越える必要があります。そのためには諦めずに継続していくことが必要となります。これが「簡単に諦めるな」ということです。

 

諦めるのか諦めないのかの判断としては、単純にやりたかったら続けてやればいいし、やりたくないんだったらやめればいいと思います。まぁどちらにしても好きなようにしたらいいです。大抵のことについては、諦めようが続けようが人生にほとんど何の影響もありません。

 

しかしながら、人にはそう簡単に諦めてほしくはない大事なこともあります。それは、その人にとって貴重なモノです。

 

その貴重なモノとは、お金や金銀財宝や高級車のような物理的に触れるモノではなく、地位や名誉や成功や恋愛やポジションといった達成感や立場的なモノでもなく、あなたの中にある信念です。(決してお金や欲望を否定しているわけではありません)

 

その信念を具体的に言えば、前向きに生きる気持ちです。人生に希望を持って前向きに生きる気持ちです。

必要なのは「人生に希望を持って前向きに生きる気持ち」だけ

誤解を恐れずにシンプルに言えば、人生に希望を持って前向きに生きているのであれば、その他のことはどうでもいいのです。諦めようが続けようが、失敗しようが成功しようが、人生に希望を持って前向きに生きているのであれば、それだけで十分なのです。

 

やられちまったよ、じっちゃん。牛みてえにやられちまった。だけど、負けねえぜ。わかったよ。俺が負けねえと思っている間は、負けはしねえんだ。

 

人生の中で、ほとんどのことは諦めたってどうってことありません。しかし、人生に希望を持って前向きに生きることを諦めてしまうことは、どんなに苦しくてつらい状況だろうが踏みとどまってほしいと思います。

 

他のどんなことを諦めようが、人生に希望を持って前向きに生きることさえ諦めなければ、どうにでも進んで行けるのです。どんなに上手くいかなかろうが、何度失敗を繰り返そうが、負けたと思わない限りまだ負けではないのです。

 

とはいえ、何かに打ちのめされたり絶望を感じ、もうダメだと思って、人生に希望を持って前向きに生きるなんて考えられなくなってしまうこともあるかもしれません。そんな時は、とりあえず「負けたふり」をしておきましょう。負けたふりをして気持ちが落ち着いてきたらまた出直せばいいのです。

 

「人生に希望を持って前向きに生きる」

この気持ちがあるうちは、あなたは負けません。

 

俺が負けねえと思っている間は、負けはしねえんだ。

 

大事なのは、あなたの気持ちです。モノや地位や過去の結果ではなく「人生に希望を持って前向きに生きる」気持ちです。それさえ諦めなければ、いくつになろうがあなたの人生は彩り豊かに成長していくことが出来るのです。

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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