リスク回避と現状維持のための行動だけになっていませんか？
前回の記事は「世界は大きなおもちゃ箱～楽しいこと面白いことを探し求める」でした。
今回も小説『Fate/Zero』からの引用です。自分の生き方に悩む言峰綺礼の心象風景になります。
その言動はいつでも必要に迫られた上での、疑う余地のない選択ばかりだった（Fate/Zero）
常に命令には忠実に、義務には従順に、倫理には厳格に。そう努めてきた綺礼である。その言動はいつでも必要に迫られた上での、疑う余地のない選択ばかりだった。
だからこそ——自らの行動の意味を測りかねるという当惑は、これが初めてのことだ。
はじめは遠坂時臣の援護をする意図で、綺礼は師が戦いに臨むその現場へと駆けつけた。が、時臣の交戦相手が間桐雁夜であると判った途端、綺礼は助勢に参じるのではなく、物陰に身を潜めたまま顛末を見届けるという、サボタージュも同然の行動を選択してしまった。
虚淵玄『Fate/Zero ４ 散りゆく者たち』
私たちが行動する上で、無意識に優先していることがあります。
その無意識に優先している行動とは、その行動をしなかった場合にあなた自身にリスクやデメリットが発生することがある場合が想定されることでの行動です。平たく言うと、これだけはしておかないといけないという案件です。
常に命令には忠実に、義務には従順に、倫理には厳格に
例えば、サラリーマンであれば、出勤時間に遅刻しないで出社することや、そのために満員電車に乗ること、また社長や上司に会った時に無視しないで挨拶することは、それが好きとか嫌いに関係なくやることが当然であり、それをしなかった場合には何らかのリスクやデメリットが発生することはご理解いただけると思います。
これらの行動は、あなたの中でやらなければいけない行動として認識されていることです。そしてこの行動をしっかりとこなすことで、あなたが生きていく上においての予測可能なリスクやデメリットが回避することが出来、あなたの現状が守られます。リスク回避と現状維持のための行動ということです。
私たちにとって、リスク回避と現状維持のための行動はもちろん必要なものです。
しかし、ここで気をつけなくてはいけないこともあります。
それはあなた自身が、リスク回避と現状維持のための行動をすることに慣れ過ぎてしまうことによって、あなたが日常生活でする行動のほとんどがリスク回避と現状維持のための行動ばかりになってしまう可能性があるということです。その行動パターンが習慣となってしまうのです。
その言動はいつでも必要に迫られた上での、疑う余地のない選択ばかりだった。
あなたの行動が「やりたいことをやるため」ではなく「やらなければいけないことをやるため」だけに偏ってしまうということです。その選択にあなたの意思はありません。
それは自分の意思からの行動ではなく、周りの状況によって定められた規則に従い、合理的にまるで機械の中の歯車のように動かされているかのような行動です。そしてその歯車であることを安住の地とすることで現状維持が守られます。
別に現状維持が悪いといっているわけではありません。ただし、あなたの生活のほとんどを現状維持を目的とすることのみで行動することは、あなたの人生を豊かにする上ではあまり良いことだとは思えません。
あなたの中で、最低限これだけはというリスク回避と現状維持のための行動はこのまま継続するとして、それ以外の時間を見つめなおす機会を持つことも一度はしてみることです。自分が普段何気なく無意識にしていることを意識に上げてみることです。
自らの行動の意味を測りかねるという当惑は、これが初めてのことだ
リスク回避と現状維持のための行動には、その行動に必ず意味があります。それはあなたをリスクから守ることであり現状を維持することです。
しかし、私たちが成長したり新しい世界を発見する時は、あなたが知らない現状の外の世界に飛び出したときです。現状の外の世界であれば、それは当然ながらその世界はあなたの知らないことやわからないことだらけです。もしかしたら、その世界はあなたにとって全く無意味な世界かもしれません。
しかしながら、わからないながらもそのことについて調べて知識をつけたり、実際に行動をしたりすることで、世界が広がったり成長することや人生を豊かにすることにつながるっていくのです。
もし、あなたの生活を意識して見つめなおした時に、その行動のほとんどがリスク回避と現状維持のための行動であるなら、自分自身のためにリスク回避と成長のための行動、もしくはリスク上等で人生を豊かにするための行動を少しずつでもいいので、生活の中に組み込んでいくことをおすすめします。
そして、その少しずつの変化が、後になってあなたを大きく変化させるのです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
