前回は「影響力の武器」に学ぶ情報護身術という記事を書きました。

「影響力の武器」というロバート・チャルディーニという社会心理学者が書いた本で、内容は著者が説得のプロの技術を研究し、その技術を人間心理のメカニズムから分析しまとめたものになっています。

簡単に内容を知りたい人は前回の記事を読んでみてください。

 

今回の記事では「影響力の武器」の著者ロバート・チャルディーニが「影響力の武器」の武器の出版から33年の時を経て新たに出版した『PRE-SUASION(プリスエージョン) 影響力と説得のための革命的瞬間』について簡単に説明していこうと思います。

 

PRE-SUASION(プリスエージョン)と言う言葉は、著者ロバート・チャルディーニの造語です。

PRE-SUASIONの意味するところは、説得(PERSUASION)の前段階(PRE)こそが説得することの重要なカギになるということを表現しており、説得の前3文字のPERをPREに置き換えた形になっています。

 

僕はサラリーマン時代にイベントの準備と運営をする機会がよくあったのですが、その時代にイベント慣れしている人から、「イベントは段取り8分だよ」ということを良く言われたものです。要は段取りと準備がイベントが上手くいくかどうかの重要なカギを握っているということです。

 

まぁ説得とイベントではちょっと違うかもしれませんが、何かに成功するためにはその何かをしている本番よりも、その準備こそが大事なんだということは一緒です。

 

前回の「影響力の武器」は476ページの本でした。

今回の「PRE-SUASION(プリスエージョン)」は489ページあります。

分厚い本なのでそれを一つの記事にまとめるといっても内容量が多いので、かなり大雑把に要点だけがわかるように書いていきます。

「PRE-SUASION(プリスエージョン)」に学ぶ前準備の重要性

ロバート・チャルディーニは、説得の技術を研究している時に気づいたことがあります。

説得のプロ達が多くの時間を費やしてていたのは、説得する現場での話術(論理性や正当性)などではなく、その前に何を準備しておくのか、何をいつ言うかのということを入念に下準備して作りこんでおくことでした。

それは消費者が説得のプロに会う前から、知らず知らずに説得を受け入れるようにセッティングされているということです。

 

ここでは「PRE-SUASION(プリスエージョン)」について、次の3つに分けて簡単に説明していきます。

 

1.下準備 ー 前もって注意を引くこと

2.プロセス ー 連想の役割

3.最善の実践 ー 下準備の最適化

1.下準備 ー 前もって注意を引くこと

「個人の選択に強く影響を与えるものは、その個人が決断をする瞬間に注意を引いていたこと」というのが、この本で主張していることです。

平たく言うと、人は気になったことがその人にとって重要なことになり、重要だと思っているから説得側のメッセージを受け入れやすくなるということです。

 

また消費者は注意を向けているということに気づくと、注意が向いたものが原因となってものを考えるようになりがちです。

なので消費者が説得に関連することに対し自動的に注意を方向付けてくれるように下準備しておくことが、説得の成功をすることに大きく影響するのです。

2.プロセス ー 連想の役割

人が何かに注意を向けると、それが説得に影響力を与えます。

その注意を向けさせる方法として、相手の意識をその後にする説得する情報に向けて意識させるように連想させるという手段があります。

 

人は言葉やイメージ、さらには場所からも何かを連想します。

その連想が、説得に対し有利に働くような情報や場所のセッティングなどをあらかじめ前準備しておくことが、説得に成功することに大きく影響するのです。

3.最善の実践 ー 下準備の最適化

前回の記事で説明した説得力の武器の6つの武器として

返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性の6つがありました。

 

下準備を効果的に行うには、この6つの中のどれか一つを組み合わせて行うことで下準備の効果も最大限発揮されるようになります。

 

そしてここではさらにその6つの武器に続く7つ目の影響力の武器として、「まとまりの原理」をあげています。

 

これは我々というまとまり、すなわち親類、家族、住んでる場所、出身校というようななんらかの共通項を意識に上らせることで、その後の同意を得やすくなる傾向があります。

また「まとまりの原理」は共通項だけではなく、何かを一緒に活動しているというような行動を取ることでも得られます。同じ行動をとることで信頼関係ができやすくなるのです。

 

最後に、説得ということを心理的な作用を利用することで、倫理的に反することも出来てしまうのではないかと言うことについても書かれています。これについては企業の利益のみを追求して消費者側に不利益を与えるような反倫理的な行動を取る企業は、長い目で見ると業績が悪化しているということが研究データとして書かれています。

なので影響力の武器や前準備を使うにあたっては、倫理的なことは守り誠実に行動することをすすめています。

 

 

以上、『PRE-SUASION(プリスエージョン) 影響力と説得のための革命的瞬間』について簡単に説明しました。今回は例え話をひとつも入れずに、本当に超簡単にしか説明してません。

もちろん書籍には具体的な方法がしっかりと書かれています。

 

『PRE-SUASION(プリスエージョン) 影響力と説得のための革命的瞬間』は、『影響力の武器』同様、ものすごく良い内容がつまっているの本なので気になった人には、ぜひ書籍を購入することをおススメします!

 PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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