あなたが嬉しい、楽しい、喜びと感じることは何ですか?
前回の記事は「理想もなく、悲願もない。ならば愉悦を望めばいいだけではないか」でした。
今回も前回に引き続き、小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。今回も7人のマスターのひとりである言峰綺礼と、遠坂時臣のサーバントであるアーチャー(英雄王ギルガメッシュ)とが問答しているシーンです。
まずは娯楽というものを知るべきだ(Fate/Zero)
「愉悦というのはな、言うなれば魂の容(かたち)だ。"有る”か"無い”かではなく、"識(し)る”か"識れない”かを問うべきものだ。
綺礼、お前は未だ己の魂の在り方が見えていない。愉悦を持ち合わせんなどと抜かすのは、要するのそういうことだ」
「サーヴァント風情が——私に説法するか?」
「粋がるなよ雑種。この世の贅と快楽とを貪り尽くした王の言葉だぞ。まぁ黙って聞いておけ」
綺礼は遅蒔きながら気がついた——口ではどう言おうとも、既に内心ではアーチャーの言葉に進んで耳を傾けようとしている自分に。
この時臣のサーヴァントの、傲慢で憚ることのない物言いは、どうしたことか不思議と綺礼の神経に障ることがない。
「ともかく綺礼、お前は、まずは娯楽というものを知るべきだ」
「娯楽——だと?」
「ああ。内側にばかり目を向けていても仕方ない。まずは外に目を向けろ。……そうだな、手始めに我(オレ)の娯楽に付き合うところから始めてはどうだ?」
「今の私には、遊興に費やしていられる時間などない」
おまえとは違ってな、と、綺礼はそう胸の内で付け加える。
虚淵玄『Fate/Zero 2 英霊参集』
愉悦というのはな、言うなれば魂の容(かたち)だ。
魂(たましい)というのを簡単に言ってしまえば、心や精神のありようです。
愉悦というのは、心から喜び楽しむことです。
アーチャー(英雄王ギルガメッシュ)は愉悦と魂の容(かたち)はイコールだと言っています。これについては、それってどういうことと?(はてなマーク)が出ている人も多いかと思います。ここで愉悦と魂の関係をもっとわかりやすく見るには、愉悦を煩悩に置き換えて見ると理解しやすいかと思います。
煩悩を簡単に言えば、欲望です。そして、人には108の煩悩があると言われています。すなわち、人は煩悩の塊(かたまり)である。そして、煩悩の塊(かたまり)が魂(たましい)であるということです。(たぶん)
"有る”か"無い”かではなく、"識(し)る”か"識れない”かを問うべきものだ
煩悩(愉悦)は誰しもが持っているものであり、アーチャーの言いたいことは、あなたは自分の煩悩を知っていますか?ということです。それは、あなたが何に対して楽しさや喜びや嬉しさを感じるのかを、自分に問うているかどうかの投げかけです。
お前は未だ己の魂の在り方が見えていない。愉悦を持ち合わせんなどと抜かすのは、要するのそういうことだ
そして、人なら誰しもが持っているはずの煩悩(愉悦)を持っていないわけはなく、それを持っていないと言うというということは、持っているものが見えていないというだけであると説明しています。(たぶん)
お前は、まずは娯楽というものを知るべきだ
自分の煩悩(愉悦)を知らないから、あるものであっても意識に上がってこないので見えません。意識に上がらないことは、無いことと一緒です。無いことを頭の中で想像しようとしても、それは無理な話です。
それゆえ、アーチャーは「お前は、まずは娯楽というものを知るべきだ」とアドバイスします。
「ああ。内側にばかり目を向けていても仕方ない。まずは外に目を向けろ。……そうだな、手始めに我(オレ)の娯楽に付き合うところから始めてはどうだ?」
自分とはいったい何なのだろうかと、頭の中で悶々と考えるだけでは、なかなか答えは見えてこないものです。このブログでは何度も書いていますが、自分を成長させたり変えていくには行動が必要です。同じように、あなたが何に対して楽しさや喜びや嬉しさを感じるのかを知るためにも行動は必要となってきます。
今の私には、遊興に費やしていられる時間などない
コーチングなどを学びながらも、自分が「何をしたいのかわからない」「ゴール設定が出来ない」という人には、「人生を楽しむ」という遊び感覚の精神が欠けていることが多く見受けられます。遊び感覚で楽しむことに没頭することがないから、自分が何に対して楽しさや喜びや嬉しさを感じるのかがわからない状態となってしまうのです。
もし、あなたがそのような状態であれば、もっと楽しいことにフォーカスしてみましょう。楽しいこと、楽しい人、楽しい遊び。目を向けるべき所は楽しさであり、何をして遊びたいかというとこです。
この世の贅と快楽とを貪り尽くした王の言葉だぞ。まぁ黙って聞いておけ
ということで、あなたもアーチャーこと英雄王ギルガメッシュ様のありがたいお言葉に耳を傾けてみてはいかかでしょうか?
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。