前回の記事は「Why done it?そこに謎を解く鍵がある(ロード・エルメロイⅡ世の事件簿)」でした。
なぜそうなったのかー自分のパターンの原因を探る
前回は『Why done it?そこに謎を解く鍵がある』ということで、物事には何事も「なぜそうなったのか」の原因となる理由があり、その理由にこそ問題解決の鍵が隠されているという話でした。
自分を書き換える(なりたい自分に変わりたい)時や自分自身を見つめなおす時に、内観という手法(自分の心の内側を観る手法)を使う場合がありますが、「なぜそうなったのか」を探ることは内観とほぼ同じような作業になります。
私たちは見た目などの視覚情報やその時の感情に流されやすく、なおかつ『わからないという状態』が嫌なので早く結論に達したい傾向があります。そのために、わかりやすい正解らしきものが目の前に提示されている安易にその情報を自分に取り入れます。
ある意味、簡単にその内容についてのゲシュタルトを作ってしまうのです。そしてその合っているのかいないのかわからないようなゲシュタルトをもってそのことについて判断するようになります。これが思い込みです。
国民的刑事ドラマの『相棒』で、警察上層部や捜査一課が物的証拠や状況からの推測から事件の内容を簡単に決めつけたような捜査をしている中、水谷豊演じる特命係の杉下右京は全く別な角度から捜査をしているシーンはお馴染みだと思います。
杉下右京は捜査の初期段階において、思い込みや決めつけといったような不確定要素は極力排除しており、ひたすら事実関係を見ていきます。そして、その証拠や状況、捜査上に上がった関係者の『なぜ』を深く追求し、なおかつ自身の豊富な知識と合わせて仮説を立てて検証していきます。
そしてその結果、捜査一課が見落としていたところに解決の糸口を見出し事件を解決することとなります。もちろん、これはテレビドラマでそういう設定で作っているのですが、この捜査一課と杉下右京が毎回繰り返しているパターンの中に私たちが学ぶべき点を見出すことが出来ます。
フォーカスすべきはパターンです。人はいつも同じような行動を繰り返します。杉下右京が捜査一課のような行動を取ることもなければ、捜査一課が杉下右京のような思考方法を取ることもありません。
そのパターンはテレビのような形で客観的に見ればわかりやすいし、ほとんどの視聴者が認識していることと思います。
しかし、それと同じように、私たちもいつも同じパターンを気づかずに繰り返しています。それもどちらかというと捜査一課的な行動を無意識に繰り返しているのです。
捜査一課も仕事を適当にやっているわけではなく、当然ながら真面目に捜査に取り組み、事件解決を目指しています。でもなぜかいつも自信満々なのにもかかわらず、なぞを解く鍵を見つけられません。
捜査一課がなかなか事件を解決出来ない理由を上げるとすれば「見た目でわかりやすい表面的な証拠や情報をたよりに、解決を急ぐばかりに事件の内容を決めつけ、その思い込みにしたがって捜査している」からです。
私たちも一緒です。自分を成長させたい、今の自分を変えたいと思っている多くの人は、自分をなんとかしようともがいています。しかし、その解決を急ぐあまりに、捜査一課のようなパターンの繰り返しになってしまうことがよくあります。
目に見える表面的なことに足らわれ過ぎて、自分のパターンが見えていないのです。Why done it?=「なぜそうなったのか」を見ていないのです。
だから、自分を変えたいのであれば、Why done it?=「なぜそうなったのか」を探る事なのです。
そして、そこにあなたを変えていく鍵があるのです。
まずは自分のパターンを見つけましょう。そしてそのパターンの原因となる鍵を見つけることが出来れば、あなたの人生のパターンを捜査一課の頑張っているけど空回りしてしまうパターンではなく、杉下右京のような確実な成果を導くパターンへと書き換えていくことが可能となるのです。
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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。