自分の理想とするマインドセットに忠実であり続ける
前回の記事は「それは騎士の王たる者の貴すぎる在り方だった~マインドセット」でした。
今回も小説『Fate/Zero』からの引用でスタートします。7人の魔術師マスターの一人である遠坂時臣について書かれている箇所になります。
どんな時でも余裕を持って優雅たれ(Fate/Zero)
余談だが。
遠坂時臣は決して天才だったわけではない。
歴代の遠坂において、むしろその資質は凡庸であったとさえいえよう。
練達の術師として一目を置かれるまでになった今日の時臣があるのは、ひとえに彼が、その家訓に忠実であり続けただけのことだ。
どんな時でも余裕を持って優雅たれ——
一〇の結果を求められれば、二〇の鍛錬を積んでそれに臨んだ。課せられた試練の数々を、優雅に、綽綽と通過するための、それが時臣の処方であった。強いて他人よりも抜きんでたところを探すなら、その徹底した自律と克己の意志だけが、時臣の強みであったと言えるだろう。
虚淵玄『Fate/Zero 5 闇の胎動』
前回の記事で、コーチングの神髄をひとことで言ってしまえば、「在り方を決めて、その在り方通りに生きる」いうことです。と書きました。
「在り方を決めて、その在り方通りに生きる」の在り方の所を未来からの視点で見れば、理想の自分であり、現在の視点で見ればマインドセットと言い換えられます。
いずれにしても、自分がこういう人間になりたいと思う理想の自分を意識して、その通りの自分として行動することが自分を変えるための基本であり最終奥義のようなものになります。
遠坂時臣は決して天才だったわけではない。
歴代の遠坂において、むしろその資質は凡庸であったとさえいえよう。
生まれながらにして何でも知ってて何でも出来てしまうような人は一人もいません。何かを極めているような人は、それを最初から極めていたわけではなく、人一倍そのことに時間をかけて向かい合って取り組んできた結果としてそこまでのレベルに到達しているのです。
何かを極めたり、夢やゴールを達成していく人というのは、自分の行動や物事を判断する際の基準となる考え方を持っています。それがマインドセットです。意識して取り入れている人もいれば、無意識でしている人もいますが、マインドセットとしての自分の在り方がしっかりと決まっています。
練達の術師として一目を置かれるまでになった今日の時臣があるのは、ひとえに彼が、その家訓に忠実であり続けただけのことだ
マインドセットは簡単に言うと自分に課すルールです。自分で決めた自分に対するルールです。そして遠坂時臣の場合は遠坂家の家訓がそのままマインドセットとして機能し、その家訓というルールに忠実であり続けました。その結果として、練達の術師として一目を置かれるまでになった今日の時臣があると述べています。
どんな時でも余裕を持って優雅たれ——
時臣はこの「どんな時でも余裕を持って優雅たれ」という家訓に忠実であることというその一点を、自分に課すルールとして継続して取り組んできたのです。
しかしながら、今ではいつでもワイン片手に堂々と余裕綽々のように見える時臣でさえ、最初から家訓にあるようにいつでも余裕をもって優雅にこなせていたわけではありません。
一〇の結果を求められれば、二〇の鍛錬を積んでそれに臨んだ。課せられた試練の数々を、優雅に、綽綽と通過するための、それが時臣の処方であった。
「どんな時でも余裕を持って優雅たれ」という家訓に忠実であるために、またそのように見せるために自分に対し当たり前のように試練を課してきました。
強いて他人よりも抜きんでたところを探すなら、その徹底した自律と克己の意志だけが、時臣の強みであったと言えるだろう。
時臣の強みとして挙げられているのが、徹底した自律と克己の意志だけだといっています。
自律とは、自分自身で立てた規範に従って行動すること。
克己とは、自分の感情・欲望・邪念などに打ち勝つこと。
そして時臣がしてきたことは、「どんな時でも余裕を持って優雅たれ」という家訓をマインドセットとして、徹底した自律と克己の意志で忠実にマインドセット通りの自分であり続けただけのことなのです。
自分自身に課したルール(マインドセット)に対し、それを徹底した自律と克己の意志で忠実に守り続ける。自分を本気で変えたいのであれば、やるべきことはそれだけだと言っても過言ではないのです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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