自分に正直に生きていますか?
前回の記事は「求めるところを為すがいいー万事がお前次第なのだから」でした。
今回も小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。今回は7人のマスターの1人であるウェイバー・ベルベット(19才の青年)と、そのサーヴァントのライダー(征服王イスカンダル)とのほのぼのとした会話になります。
そのギラギラ光る丸い目は既にもう(Fate/Zero)
ライダーは聞いているのかいないのか、そのギラギラ光る丸い目は既にもう、周囲の酒屋やら玩具屋やらゲームセンターやら関西風お好み焼きショップやらを舐めるようにして見定めている。
「……征服するなよ。略奪するなよ」
「えっ!?」
「『えっ?』じゃねぇぇよッ!もうッ!」
(略)
「万引きも、無銭飲食も、一切ナシだ! 欲しいものがあったらきちんと金を払え! それとも令呪で言い聞かせないとわからないか!?」
「はっはっはっ。何を無粋な。マケドニアの礼儀作法はどこの宮廷でも文明人として通用したのだぞ」
真に受けていいのかどうか判断に苦しむ自慢を言い残して、財布片手に鼻息も荒く買い物客の波へと紛れ込んでいくライダーの背中を、ウェイバーは苦々しい心持で見送った。
虚淵玄『Fate/Zero 4 散りゆく者たち』
楽しく生きるコツのひとつはストレスを溜めないことです。
ストレスになりそうなことは、その場で処理するか避けてしまうかして心身に残さないようにするべきです。
ストレスを溜めないコツは自分に正直に生きることです。
「自分に正直なだけさ。自分に正直でない人間ってやつが、いつも屈託を抱えこむ。つまりストレスってやつだがね」
北方謙三「風の中の女」
『自分に正直でない人間ってやつが、いつも屈託を抱えこむ(風の中の女)』(2019/2/1)
自分に正直で生きていれば、自分のしたくないことを我慢してやる機会が少なくなります。そのかわり、周囲の人の反発を受けるかもしれませんが、それも慣れが解決します。(たぶん)
あなたは自分に正直に生きることに慣れ、周囲の人はあなたは自分のいやなことはしない人だということに慣れてあまり気にしなくなります。まぁあなたを支配することをあきらめるということでもあります。
自分に正直に生きることは自分で自分を支配することです。それは、ただただ楽をしたいというわがままとは違います。自分自身に責任を持つという事であり、生きる方針を明確にするということです。
生きる方針が明確であれば、やりたいこととやりたくないことも明確になってきます。また、そういうことは頭で考えなくても先に身体の方で反応しているもので、自分に正直に生きるようになるとその身体の反応に敏感になるので、即座に対応が決まるようになります。
そして、嫌なことはもちろんパスしますが、逆に自分の欲望には正直に情熱的なエネルギーが現れます。
そのギラギラ光る丸い目は既にもう、周囲の酒屋やら玩具屋やらゲームセンターやら関西風お好み焼きショップやらを舐めるようにして見定めている
目の輝きからして違ってきます。興味が沸いたら、まさしくロックオン状態に入るのです。
「……征服するなよ。略奪するなよ」
「えっ!?」
「『えっ?』じゃねぇぇよッ!もうッ!」
その姿は、飢えた野獣のように何が何でもそれを手に入れたいという渇望感に溢れます。
この渇望感が、まさにコーチングでいうとこの『WANT TO』の状態です。
本来、自分がやりたいこというのは頭であれこれ考えてひねくり出すというものではありません、身体が勝手に反応してしまうものです。
ただし、自分の本音を隠してに正直に生きることをしていないと、自分が本当はなにがしたいのかもわからなくなってくるし、身体の反応も見逃してしまいます。さらに自分に嘘をつくということは、ストレスを溜めることにもつながるので、心身に不調をきたし何か新しいことに向かって行動するエネルギーさえ枯渇してくるのです。自分に嘘をついていいことは、ほとんどありません。
もし、あなたがやりたいと思う『WANT TO』が「ただただ楽をしたい」とか「楽して金を儲けたい」といった、現実逃避のようなものしか浮かんでこないようなら、それはあなたがストレスの中にどっぷりとハマっているサインかもしれません。
まずは自分に正直になって本来の自分を取り戻し、あなたの目がギラギラするような本当の『WANT TO』を追い求めていきましょう!!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。