たとえ満足いく結果が出なくても、挑戦する行為にこそ意義がある

 

前回の記事はあんな馬鹿に、世界はいちど征服されかかったのか?~馬鹿になれでした。

 

今回も前回に引き続き、小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。今回はマスターの7人の中でただ一人だけ魔術師ではない雨生龍之介のシーンです。

すべてはトライ・アンド・エラー(Fate/Zero)

「あっちゃぁ……参ったなぁ」

落胆の吐息とともに、龍之介は頭を掻いた。

昨日まで悪戦苦闘し続けた人間パラソルの発明に続いて、またしても失敗である。こう挫折が続くと、さしもの彼も自信を失ってしまいそうだ。

だが龍之介は昨夜の『青髭』の言葉——パラソルを壊して落胆する弟子を優しく慰めてくれた訓示を思い出す。

『何事も最初の発想が大切です。たとえ満足いく結果が出なくても、挑戦する行為にこそ意義があるのです』

そう笑って、偉大なる悪魔は龍之介を激励してくれた。それまで誰にも理解されない芸術を孤独に志してきた青年にとって、あの言葉はどれほど励みになったことか。

頑張らなきゃならない。そう気を取り直して龍之介は弱気の虫を追い払った。失敗を恐れてはいけない。すべてはトライ・アンド・エラー。千里の道も一歩から。

虚淵玄『Fate/Zero 2 英霊参集』

※青髭=雨生龍之介のサーバント(英霊)であるキャスターのこと

 

人間パラソルとは何であるかはさておき、、、人が成長したり成功したりする過程においてトライ・アンド・エラーは基本中の基本となる考え方です。トライは挑戦する行為であり、エラーは失敗であり満足いく結果が出ないことです。

 

いつも言っていることなのですが、今一度しっかりと脳と心に叩き込んでほしいことは、失敗することをネガティブなこととして捉えてはいけないということです。挑戦したことに対する失敗とは成長するために必要なことであって、むしろ何度でも繰り返してほしいことです。

 

多くの人は失敗することやミスをすることに対して、必要以上恐怖を抱いています。これは子供の頃、学生時代、そして社会人になってからも、私たちは失敗やミスに対してあまり寛容ではない環境の中で生活していたので、無意識に失敗やミスはいけないことだという刷り込みがされているためです。また、失敗やミスは周囲からの自分の評価を下げてしまうという刷り込みもあります。

そして、長い時間をかけて刷り込まれた習慣は変えようと思っていてもなかなかしぶといです。そのために、挑戦することはあなたにとってプラスになることが頭でわかっていたとしても、いざとなると無意識がその挑戦を避けてしまうのです。

 

しかしながら、挑戦すること、行動することは、すべてにおけるスタート地点です。ここが始まらないことには成長も変化も成功もありません。

 

コーチングではビジュアライゼーションやアファメーションなどをしてホメオスタシスを味方につけて自分をゴール側の理想の状態に書き換えていくような促しも行います。なのですが、行動することや挑戦することについては、基本的にはやるかやらないかの選択しかありません。そして自分を変えていきたいのであればやるという一択しかないのです。

 

ということは、行動する自分に変わるためには、あ~だ、こ~だ言わずに、一気にパラダイムシフトさせてしまった方がいいのです。電源のスイッチをオンオフで切り替えるように、やらない自分をやる自分の方向に、今この瞬間に切り替えてしまうのです。

 

要は、マインドセットとして、行動する自分になることを決めてしまうのです。失敗することは素晴らしいことだと決めてしまうのです。

 

自分の成長を望むのであれば、やるかやらないかの段階で悩んでいる場合ではありません、頭を悩ませる所は、やることは当然のこととしてどういう戦略を立てて行動するかであり、行動した後の結果に対してどうフィードバックを取るかという部分です。

 

失敗を恐れてはいけない。すべてはトライ・アンド・エラー。千里の道も一歩から

 

挑戦と失敗を繰り返すことが成長と成功への道となります。そのためには、動くことは大前提として、多くの人が恐れている失敗に対するネガティブなイメージを、「失敗は素晴らしい」というポジティブなイメージに書き換えてしまいましょう。そして、気楽にカジュアルに、失敗を失敗とも思わずに、やりたいことにどんどん挑戦していってください。

 

人生のうちで重要なことはほとんどないに等しいんだ。何が起こったって、べつにおたつこことはねえやね

船戸与一「蟹喰い猿フーガ」

蟹喰い猿フーガ (徳間文庫)

Fate/Zero 全6巻完結セット (星海社文庫)

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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