自分で決めて自分でやる

 

前回の記事はどんな時でも余裕を持って優雅たれ~マインドセットがあなたを作るでした。

 

今回も小説『Fate/Zero』からの引用でスタートします。前回に引き続き7人の魔術師マスターの一人である遠坂時臣について書かれている箇所になります。

「これが自ら選んだ生き方なのだ」という気高き自負の念(Fate/Zero)

師であり父であった先代も、息子が魔導を志す上でどれだけ険しい道を歩むことになるか、充分に予見していたはずだ。だからこそ、先代は時臣に魔術刻印を譲渡する前夜、改めて息子に問うたのだ。——『家督を嗣ぐか否か?』と。

それはごく儀式的な、名目だけの問いであったのだろう。時臣は嫡子として、未来の頭首となるべくして教育を受けてきたし、幼少より彼の中に培われてきたその誇りは、それ以外の人生など夢想すらさせなかった。

それでも——そこに‟問い”という体裁があった以上は、曲りなりにも時臣には‟選択の余地”があったということだ。

今にして思えば、それは時臣にとって、先代の父からの最大の贈り物だったといえる。

遠坂時臣は自らの意思によって魔導を歩んだ。決して運命に流されたわけではない。

その自覚こそが、時臣に鋼の意志を与えてくれた。以後の厳しい修練の日々を内側から支えてくれたのは‟これが自ら選んだ生き方なのだ”という気高き自負の念だった。

虚淵玄『Fate/Zero 5 闇の胎動』

 

魔導の家系に生まれ、次期頭首としての教育を受け、自らも魔導の道を進むことを当然のごとく考えていた遠坂時臣は、魔術刻印が譲渡がされる前夜先代の父から改めて『家督を嗣ぐか否か?』と問われたことを思い出します。

 

そこに‟問い”という体裁があった以上は、曲りなりにも時臣には‟選択の余地”があったということだ。

 

時臣はこの選択肢を与えてくれた問いが、父からの最大の贈り物だったことに気づきます。

なぜなら、この選択肢がなく儀式的に家督を嗣がされていれば、それはあらかじめ決められている道をその通りに歩いていく人生であり、そこに自分の意思は全く反映されてません。

 

しかし、自分が生まれた時から決められていたと思われていた道について『家督を嗣ぐか否か?』と問われたことで、時臣に自分の道を自分の意思で選ぶことができる選択肢が与えられたことになります。

 

遠坂時臣は自らの意思によって魔導を歩んだ。決して運命に流されたわけではない。

 

父に改めて問われたことで、自分の未来の道を自らの意思で決定することが出来ました。

家督を嗣ぐことについての問いがあろうがなかろうが、いずれにせよ結果的には魔導の道を進むことは変わらなかったはずです。しかし、そこに自分の意思が介在したかどうかは、時臣にとってはその後の人生に大きな意味を持っていました。

そこにあるのは「自分の意思で歩んでいる」のか「決められた運命に流されている」のかの違いです。そして時臣は「自分の意思で歩んでいる」自負があるからこそ、厳しい修練も乗り越えられてきたと考えています。だからこそ父から問われた『家督を嗣ぐか否か?』が最高の贈り物だと感じているのです。

 

その自覚こそが、時臣に鋼の意志を与えてくれた。以後の厳しい修練の日々を内側から支えてくれたのは‟これが自ら選んだ生き方なのだ”という気高き自負の念だった。

 

私たちは、ややもすると「流されている」「やらされている」生活をおくりがちです。それはHAVE TOな生活であり、思考停止な生き方であり、気づかぬうちに自分の意思以外に支配されている人生となります。

 

いつも言うことですが、自分の人生を自分の意思で変えていく基本は「自分で決めて自分でやること」です。自分の意思で選んだ道を自分の足で進んで行くことです。

 

もし、あなたが今の自分を変えていきたいと思っているのであれば、自分の無意識にしている選択に対して自らに問いかけることです。

 

「俺は何がしたいのか?」と

 

したいことの基準は、「理想の自分だったら何を選ぶか?」「自分の設定したゴールを達成するのは何を選択するか?」「今の自分は何を望んでいるのか?」など、自分にとっての在り方でありマインドセットに沿ったことにしていきます。そしてしたいことを、そのまま実行するのです。

 

それが在り方が本当に心から望むことであれば、その決定に従うことに対して厳しさがあったとしても、そこは自分で決めた自分がやりたいことなんだという鋼の意志があなたの支えとなってくれます。

 

時臣の場合は自分の師である父からの問いかけでしたが、自分が自分自身に自分の在り方を問うことはセルフコーチングをすることで十分可能です。自分の中の理想の自分を想定する、もしくは自分の中に師(メンター)を想定し、その想定した理想の自分や師と脳内で対話しながら、あなた自身の在り方や行動を決めていけばいいのです。

 

自分で在り方を決めてそのとおりに行動する。その繰り返しがあなたを理想の自分へと導いてくれるのです。

Fate/Zero(5)闇の胎動 (星海社文庫)

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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