前回の記事は彼方にこそ栄えあり(Fate/Zero)でした。

 

そうとも坊主、貴様は筋金入りのバカだ。貴様の欲望は己の埒外を向いている。彼方にこそ栄えありと言ってなぁ、余の生きた世界ではそれが人生の基本則だったのだ

 

ライダー(征服王 イスカンダル=アレクサンドロス大王)は自分の実力とはかけ離れた欲望を抱いているウェイバー(ライダーのマスター)のことを全面的に肯定し、それこそが自分の人生を輝かせてくれる基本則であると言っています。

 

ライダーの言葉は、コーチングの基本原則である「現状の外側にゴールを設定する」と同じことです。彼方にこそ栄えありとはそういうことです。

笑うがいい、2000年の時が経とうと、未だ同じ夢を抱き続けている余もまた大バカ者だ(Fate/Zero)

今回もまた、アニメ「Fate/Zero」から前回と同じ会話文を引用します。

ウェイバー「要するにマスターなんてどうでもいいって言いたいんだな。僕がどんなに弱かろうと、そもそもおまえには問題にもならないんだな」

ライダー「なんで、そうなるんだぁ、おい。貴様のそういう卑屈さこそが、すなわち覇道の兆しなのだぞぅ。貴様は四の五の言いつつも結局己の小ささをわかっておるのだからなぁ」

「それ、ほめてないぞ!バカにしてるぞ!!」

「そうとも坊主、貴様は筋金入りのバカだ。貴様の欲望は己の埒外を向いている。彼方にこそ栄えありと言ってなぁ、余の生きた世界ではそれが人生の基本則だったのだ」

「だからバカみたいに、ひたすら東へ遠征を続けたのかよ」

「ああ、そうだ。この目でオケアノスを見たくてな。だが、結局夢は叶わなかったわい」

「(えっ!あの海を見ていないっ!?)」

「オケアノスは今なお余の目指す場所、見果てぬ夢よ」

「(あの海はライダーが胸に抱いていた心の景色なんだ)」

「笑うがいい、2000年の時が経とうと、未だ同じ夢を抱き続けている余もまた大バカ者だ。だから坊主、バカな貴様との契約がまっこと快いぞ!」

アニメ「Fate/Zero」第13話

 

ゴールとは自分の叶えたい夢であり、叶えたい願望であり、叶えたい理想です。そこには自分が「どうしてもやりたいんだ」という強烈なwant toが働いていることが必要です。

 

そのゴールは、けっして周りから勧められた義務や強制や、自動的に進む先に見えている未来ではなく、自分の強烈な意志が働いていることも必要です。

 

そして「どうしてもやりたいんだ」という強烈なwant toがあるからこそ、自分の実力以上の大きな壁が待ち受けている困難な道(覇道)に立ち向かっていけるのです。

 

コーチングの理論と技術を使えば、はたから見て大変そうに見える困難な道でも、本人はさも当然のように前に進んでいくことができます。(セルフコーチングの記事を参考に!)しかしながら大前提として自分が「どうしてもやりたいんだ」という強い気持ちを持っていてほしいところです。なぜなら、その気持ちが強ければ強いほどゴールに対しての強力な引力がかかるからです。

 

私たちのホメオスタシスは、2つの世界を同時に共有できません。ここで言うホメオスタシスとは、あなたが強い臨場感を持つ情報空間のことです。

 

今の自分の現状に対して強い臨場感を持ち続けていると、あなたはなかなか変わることはできません。もちろん今の現状を把握しておくことは必要です。

 

しかしながら臨場感を持つべき情報空間は、あなたがゴール側としている世界にする必要があります。ゴール側の世界に強い臨場感を持ち続けることにより、ホメオスタシスがゴール側があなたのいる世界だと勘違いを起こします。それによりホメオスタシスを味方につけることができ、ゴールに向かうあなたの成長も加速してくるのです。

 

「ああ、そうだ。この目でオケアノスを見たくてな。だが、結局夢は叶わなかったわい」

「(えっ!あの海を見ていないっ!?)」

「オケアノスは今なお余の目指す場所、見果てぬ夢よ」

「(あの海はライダーが胸に抱いていた心の景色なんだ)」

 

ウェイバーは以前、ひょんなことからライダーの経験したであろう世界が情報空間上に見えたことがあります。それは『ライダーがオケアノスを見ている世界』でした。それをウェイバーはライダーが実際に見た景色を思い出しているのだと思い込んでいたのですが、この会話からその景色はライダーが夢として想い描いていたいた世界であり、実際にはその夢を叶えていないなかったことを、今回のライダーとの会話で知ります。

ライダーが見ていた世界は、ゴールの世界のヴィジュアライゼーションだったということです。自分がゴールを達成している世界を臨場感をもってありありと想像していたということです。そしてそのゴール達成に向けて、実際に軍を率い東へ東へと遠征をしていったのです。

 

笑うがいい、2000年の時が経とうと、未だ同じ夢を抱き続けている余もまた大バカ者だ。だから坊主、バカな貴様との契約がまっこと快いぞ!

 

ライダーは2000年の時を経てサーヴァント(英霊)として蘇ってなお、オケアノスが見たいという夢を抱き続けています。そしてそんな自分は大バカ者だと断じています。

 

2000年経って生き返っても叶えたいと思い続けられる夢。

世間から大バカ者だと思われようとも叶えたいと思い続けられる夢。

 

夢やゴールはたくさん持っていた方がいいです。持ってください。

ただし、その中にひとつだけでいいので「2000年経って生き返っても叶えたいと思い続けられる夢」「世間から大バカ者だと思われようとも叶えたいと思い続けられる夢」のような、あなたの胸が高鳴り精神が奮い立つような、そんな大きなゴールを見つけて持ってください。そんな大きなゴールの世界を臨場感高く持っていることが、あなたをさらに大きく成長させる原動力となるのです!!

 

Fate/Zero(3) (角川コミックス・エース)

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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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