あなたはあなたの国の王様です

 

前回の記事は主が我と共にあるが故に~信仰心の不思議な力でした。

今回も小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。自分を導いて欲しいと語ったウェイバー・ベルベットに対しライダー(英雄王・イスカンダル)が贈る言葉になります。

貴様の王の在り方を(Fate/Zero)

「夢を示すのが王たる余の務め。そして王の示した夢を見極め、後世に語り継ぐのが、臣たる貴様の務めである」

もはや、遥か手の届かぬほどの高みに見える鞍の上から、征服王は断固と、だが朗らかに笑いながら勅命を下した。

「生きろ、ウェイバー。すべてを見届け、そして生き存えて語るのだ。貴様の王の在り方を。このイスカンダルの疾走を」

虚淵玄『Fate/Zero 6 煉獄の炎』

 

「夢を示すのが王たる余の務め。そして王の示した夢を見極め、後世に語り継ぐのが、臣たる貴様の務めである」

 

ライダーはウェイバーに、王の示した夢を見極め、後世に語り継ぐように命じます。

 

「生きろ、ウェイバー。すべてを見届け、そして生き存えて語るのだ。貴様の王の在り方を。このイスカンダルの疾走を」

 

この引用でのポイントは、ライダー(征服王イスカンダル)がウェイバーに対し『貴様の王の在り方』を語れとしているところです。ライダー自身についても『このイスカンダルの疾走を』という言葉でライダーの王の在り方も語り継ぐように言っていますが、今回は『貴様の王の在り方』の方にフォーカスをあてて進めていきます。

 

ライダーはウェイバーにライダーの示した夢や在り方を見極め『貴様の王の在り方』を語るように話します。

 

ここで言う貴様とはライダーのマスターであるウェイバーのことを指しています。だからライダーが示した夢や在り方を見届けその在り方を見極めたら、ウェイバー自身が自分が理想とする王の在り方を示せということです。

 

ウェイバーは王でもなければ王になる予定もありません。なので、ここで言う『貴様の王の在り方』はマインドセット的な意味合いを持っていることを意味します。それは、王という身分ではなくとも自分が王であるという心構え(マインドセット)を持って生きることと、そんな自分が追いかける夢や在り方を示せということです。

 

しつこいようですが繰り返すと、ライダーが王としての理想の在り方を示すからそれを真似たり語り継げというのではなく、ライダーの在り方から学び受け継いだことを自分の中で見極め、自分自身が理想の在り方を築きそれを周りに示していけということです。

要は、自分自身が自分が最高だと思える在り方を見つけて、その在り方を示していくことをライダーはウェイバーに命じているのです。そしてそれが『貴様の王の在り方』です。

 

ライダーは王様経験者であるアーチャー(英雄王ギルガメッシュ)やセイバー(騎士王ペンドラゴン)と王の在り方について問答した時に、それぞれに対し意見したり諭したりという場面がありました。しかしライダーは、アーチャーにしてもセイバーにしても自分が正しいと思う王の在り方を貫いているということについては尊重しています。

 

多くの人は、それぞれに理想の自分の姿があるとは思いますが、その理想の自分を貫き行動で示すというのはそう簡単ではありません。それゆえ、自分の理想を貫きそれを行動で示せている人というのはそれだけで尊いのです。ましてや、それが王という重い立場で国をより良くしたいという理想があるならなおさらです。だからこそ王としての在り方が異なり、さらにその存在が敵であったとしても、その在り方を貫いていることに敬意を表しているのです。

 

このブログを読んでいるような人であれば、出来ればこのような生き方をして欲しいと思っています。『貴様の王の在り方』という理想を掲げ、それを行動で示して欲しいのです。もし行動で示すのがハードルが高いのであれば、「自分は王である」という抽象度で自分のいる世界を見まわしてみることから始めてみるのもいいと思います。

 

この『貴様の王の在り方』には正解はありません。どういう在り方にするかを決めるのは自分自身です。より良く生きるために自分はどうあるべきか?また何をすべきで何をすべきではないのかを。

 

なぜなら、あなたがあなたの国の王なのですから。

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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