前回の記事は「呼吸と交感神経と副交感神経と」でした。
私たちの自律神経(交感神経と副交感神経)は無意識で自動的にバランスを取って動いています。
体温調整、汗をかく、血液の流れ、心臓の動きなどのことです。
で、自律神経の中に一つだけ自分でコントロールができるものがあり、それが呼吸であるという話しをしました。
交感神経と副交感神経を大雑把に説明すると、
交感神経は行動モードに入っている時
副交感神経は休息モードに入っている時
そして呼吸の吸う方を意識的に長くすることで交感神経優位にすることができ、吐く方を長くすることで副交感神経を優位にすることができるということも説明しました。
私たちが普通に気持ちよく楽しく暮らしていれば、自律神経も普通にバランス良く働いてくれます。
しかしストレス社会ともいわれる現代では、心も身体も無理して「がんばらなければいけない」という無言の圧力が広がっています。
人は動いたら休む、休んだら動くを繰り返し生活しています。
動きっぱなしは身体に良くないし、休みっぱなしでも身体には良くありません。
動いたら休む、休んだら動くは、私たちが生きる上での原理原則です。
しかし「がんばらなければいけない」という無言の圧力に、肉体的にはどうにかなっても精神的に休まる時がなく追い詰められリラックスとは程遠い状態になっていきます。
精神的には休みなく動いている状態が続いてるというわけです。
精神的に休まらなければ緊張しっぱなしの状態なので、交感神経が稼働しっぱなしになります。
交感神経が稼働しっぱなしなわけですから、いつの間にか精神のみならず身体までもが緊張しっぱなしな状態になります。
精神も肉体も緊張して、自律神経がバランス良く働かなくなると、いろいろなところに異常をきたすことになり、自律神経失調症の出来上がりとなってしまいます。
周囲からのプレッシャーに耐えながら、苦しいところをがんばってきた挙句に、自律神経失調症となり心身ともに壊れていくのです。これはとてもつらいことであり、かわいそうなことです。
自分の心と身体の状態を観察する
私たちはそのような状態にならないために自分で自分を守っていく必要があります。
自分を守っていくために必要なことは、今の自分の状態がどのような状態であるのかを自分自身でしっかりと把握することです。
平たく言えば「常に自分を観察していく」ということです。
常に自分を観察することに加えて、もうひとつ必要なことがあります。
それは知識です。
知識があることで、自分の今の状態の中で気づいたことに対し、適切な対応を取ることができます。
例えば、自分が無駄に緊張していることに気づいたらリラックスするように意識する。
そしてリラックスするために具体的に必要な対応をするということです。
自分を観察し、自分の心と身体の状態をちゃんと観てあげて、適切な対応をする。
普段からこの意識を持つことで、あなたの心と身体の状態を守ることができます。
とかく、今の日本人は自分にも他人にも無理をさせる傾向があります。
もちろん厳しいときが必要な時もあろうかとは思いますが、それでも肉体的・精神的に大きな負荷を掛けすぎています。
その負荷を掛けていることが、自分が好きなことに夢中になっていたり、自分の夢に向かって試練に立ち向かっているというのであればそれは全然オッケーなのですが、大抵はやりたくもないことをやらされてしまっています。
やりたくもないことに対し肉体的・精神的に負荷を掛けがんばった結果、今やっていることが一時的に成果が上がることがあっても、長い目でみると心身ともにただただ消耗してしまっただけということにもなりかねません。
自分の心と身体は、あなたが生きている間は一生付き合っていく大事なお友達でありパートナーです。
そして、そのパートナーの状態はダイレクトにあなた自身に反映されます。
常に楽しく気持ち良く最高の状態でパフォーマンスを発揮しながら幸せに生きたいのであれば、あなたの大事な永遠のパートナーである心と身体に対して、いつも愛情を持って接してあげることを心掛けていきましょう。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。