脱力と伸筋(背中)を使う意識

格闘技をしていた時の身体の使い方

 

前回の記事は「正しい身体の使い方で元気と健康を取り戻そう」でした。

一般的に日本人は身体の使い方を習っていないので、使い方を意識している人は少ないように思われます。

 

僕自身が身体の使い方を意識するようになったのは、10代の終わりに某格闘技道場に入門してからです。

 

それ以前も、部活では空手をやっていたので身体の使い方を意識していないわけではなかったのですが、それはそれまでの常識の範囲内の使い方であり、具体的には身体を鍛える、身体を柔軟にする、正しい型をするなどのためにすることでした。

 

そのため、身体のしくみであるとか身体の有効な使い方とかそいういことにはまったく意識がなく、単純にトレーニング等でひたすら身体を鍛えぬいて、自由自在に蹴り技が使えるようになれば強くなると思って日々過ごしていました。

脱力と伸筋(背中)を使う意識

その単純に身体を鍛えればいいという考え方が変わったのが、某格闘技道場への入門です。

まぁそこでいろいろと身体の使い方を教わり、その身体の使い方のトレーニングを徹底的に行い、その身体の使い方にのっとって技を使う練習をしました。

 

身体の使い方は細かく言えばいろいろあるのですが、とくに意識させられたのが2つあります。

それは脱力することと、伸筋(しんきん)を使うことです。

脱力する

脱力は、まぁ読んで字のごとく力を抜くことです。

力を抜くと力が出るのです。

何を言っているのかわからないと思いますが、力を抜いた方が力が出るのです。

(※ 気功でよくやる折れない腕とは違います)

基本的に常に脱力です。

 

練習中も、誰かが「だつりょくして~!」とか「だつりょく~!」と頻繁に叫んでいます。

誰かが叫んだら練習生達はみんな一斉に「オッス!」とか「ウィッス!」とか叫び返します。

まぁ青春ってやつですね。

 

この練習中に「だつりょく~!」と叫ぶ行為はある意味、アファメーションです。

それぐらい脱力することを徹底していました。

 

まぁしかし、僕もそうですが入門当初はみんな揃ってなかなか脱力ができなかったものです。

もちろん脱力して何もしないでよければ簡単に脱力ができるのですが、格闘技をやるわけですから力抜いてぼうっと立っているだけでは意味がないわけです。

脱力した上でいろいろな動きをするっていうのが、当時は力を入れる習慣が抜けるまでは大変だったものでした。

 

習慣を変えるのは難しいですが、逆に言えば習慣にしてしまえばこれほど頼もしいものはありません。

習慣というのは、こちらが意識せずともほぼ自動的にやってくれるシステムだからです。

 

身体操作もそうですが、最初は今までの動き方を変えるのに意識を継続させて変える努力をしますが、いったん変わってしまえば、その意識しなくてもその身体操作ができているようになるのです。

 

で、あれだな。

この調子だと伸筋の話しに入らなそうなので、強引に伸筋についてお話しします。

伸筋(背中)を使う

私たちの筋肉には屈筋と伸筋があります。

ここではあんまり専門的な話しをしたくないのでざっくりと大雑把に説明します。

 

「力(リキ)んでみて」と言われて、一般的な人が力を入れる筋肉が屈筋です。

腕の力こぶの部分、胸板、腹筋、太ももの前面など。

 

それに対して屈筋の反対側にある筋肉が伸筋です。

腕の力こぶの真裏の部分、背中、太ももの裏側など。

 

当時指導されたのが、この伸筋を使うことを意識すること。

伸筋の中でも特に意識する部分が背中です。

 

多くの人は屈筋の力こそが自分自身の力だと思い込んでいるのですが、実はしっかり使うことが出来れば伸筋の方がより大きな力が出るのです。

しかも伸筋を使うということが、どちらかというと私たちにとっては楽で自然な動きになります。

 

まぁ脱力するだけでは格闘技的な意味でのいろいろな動きをすることは難しいですが、脱力をするイコール屈筋を使わずに伸筋を使って動くという身体の使い方をすると、これが気持ちの良い楽な動きなのに屈筋を使っていた時よりもパワーが出るのですよ。

 

そんなわけあるかいと思い人もいるかもしれませんが、そういう人は動物を想像してもらうと認識が変わるかと思います。

ゴリラでもライオンでも、とてつもないパワーを発揮しますが彼らはパワーアップのためのトレーニングを一切しません。

彼らは自分に備わっている身体操作を自然に使っているにすぎません。

で、彼らがどこを使っているのかと言えば伸筋です。背中側の筋肉を自然と有効に使っているのです。

 

私たちは腕の筋肉を太くすれば力が出るものだと思いがちですが、背中側を腕と連動させて使うことが出来ればそちらの方がパワーがでます。

腕をいくら太くしようが、背中の大きさにはかないません。

もちろん腕の伸筋も使うことになるのですが、そこは背中を使う意識をしていれば自然と腕も伸筋を使うようになるのです。

 

そんなこんなで、脱力して背中を使うようになると伸筋が発達して自然と身体も大きくなりパワーアップしてくるのです。

 

まぁ、これは格闘技をする時の道場で教えてもらった身体の使い方であり、身体の使い方の意識を変えるといろいろと変化がありますよという事例です。

 

みなさま方におかれましては普段は戦う場面はないと思われますから、日常生活でストレスなく楽に動ける身体操作が知りたいのではないかと思います。

 

ということで次回は日常で意識すべき身体操作を(大雑把に)説明していく予定です。

 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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