前回の記事は「抽象度を上げる方法⑤視点を移動させて視野を広げる」でした。

抽象度を上げるのを意識することをは良いことですが、それだけを意識するよりも抽象度の高いところも低いところも自由自在に動ける方が視野も広くなり、視野が広くなるということは抽象度も上がりやすいということを話しました。

 

同じことでも視点を移動させて視ることはとても大切です。抽象的に視ながらも具体的な考えができ、具体的に視ながらも抽象的に考えることを日常的にしていれば、視野の広さは鍛えられておのずと抽象度も上がっていくのです。

抽象度を上げる方法⑥身体を観察する

視野の広さは私たちの身体を観ることでも訓練することは可能です。身体は具体的なので抽象度を上げることとは真逆に思われる人もいるかと思いますが、身体の見え方はその人の見方によって大きく違ってます。

 

気功をしている人は、身体を観ることに対して普通の人よりも視野は広いです。それは身体全体を観ながらも、その身体を目には見えない別な見方で観察したり、部分部分を観察したりする必要があるからです。

 

目には見えない別な見方とは、筋肉の状態、骨格の状態、内臓の状態、血液の流れ、神経伝達などのチェックです。情報身体として丹田やチャクラなどもあります。また部分部分の観察とは肩、目、胃、腰、仙骨、足首などの筋肉・骨・内臓などの各部分です。さらに身体と精神状態は互いに影響しているので、心の状態も観る必要があります。

プロのアスリートや身体操作に優れている人であれば、身体の全体と部分部分をどのように意識して使えばより高度な動きやパフォーマンスが出来るのかといった視点で、自分の身体を細かく観察しています。それはもう一般の人が思いもよらないレベルで身体を観察しています。身体を観察しながら抽象度の中を具体的なモノから抽象的なモノまで移動しているのです。

 

身体の細かいレベルとは、それこそ細胞の気持ちになって、どういう動きがいいのか?どう呼吸したらいいのか?食事はどのタイミングがいいのか?食事の内容で気を付けることがあるのか?細胞にストレスがかかってないだろうか?どの精神状態でいれば細胞は喜んでくれるのだろうか?という部分までを、人によったら可視化して観察しいます。

 

ご存知のように私たちの身体は細胞で出来ています。一人の人間の細胞の数は約37兆個という説と約60兆個という説がありますが、いずれにせよ膨大な数の細胞が働いています。

 

最近テレビでアニメ化された「はたらく細胞」が人気でしたが、その世界とまったく同じように私たちの体の中では、赤血球、白血球、好中球、マクロファージ、キラーT細胞たちが常に働いているのです。

その細胞の働きを意識するようになると、その細胞なり血液なり内臓の働きと、全体としての身体と心がリンクしてきます。そして賢い人であれば気持ちの良い身体、パフォーマンスが発揮される身体を求めますので、細胞と身体全体が喜ぶような生活スタイル、もしくは自分の目標に合った生活スタイルへと移行しようとします。

 

そうなるとそのための知識も自然と学ぶようになります。前回も話しに出たマタイ効果が働くようになります。

富める者はますます富み、貧しき者は持っている物でさえ取り去られるのである

新約聖書マタイ伝13章12節

学ぶ人はさらに学ぶ習慣があるため、身体が観える人はさらに観えるようになり、視野が広い人はさらに広くなるのです。

 

そして身体のことを観ていることがそれだけにとどまらず、精神の状態や高いパフォーマンスを目指すことはもちろんのこと、自然や地球や宇宙とのつながりといった大きな世界までにも広がってくるのです(人によります)。ということは私たちの身体という具体的なモノであっても抽象度の高いところと低いところを観る習慣があれば、視野が広がり知識も増えて抽象度が上がりやすくなるのです。

 

知識があり意識に上がっていれば、身体の細胞、血液、骨、筋肉などを観ていくことが身体全体を観ることにつながり、身体全体を観ていくことが細胞、血液、骨、筋肉などを観ていくことにもつながるのです。そして身体を観察することを通してモノの見方が広がり抽象度が上がることにつながってくるのです。

 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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