前回の記事は「抽象度を上げる方法」でした。
抽象度を上げる方法は、リラックスなどであなたの今の実力を最大限発揮できるレベルに上げたうえで実際に行動することであること。実際に行動することで実力がつき抽象度を高く上げることもできるということを話しました。
今回も前回に引き続き抽象度を上げる方法について書いていきます。
行動することはとても大事です。ですが、ただ闇雲に行動するだけでは抽象度を上げることは難しいです。抽象度を上げるには賢さも必要です。知識であり、物の見方であり、考え方などです。
賢さは思考することや行動することである程度は身に付くことができます。ただし抽象度をより高く上げようとするのであれば別な力が必要となります。別な力とは自分の能力とは別な力のことです。
それは他人の能力です。
その他人とは、もちろん抽象度の高い人のことです。
抽象度の高い人から学ぶ
私たちは生まれてから今までにたくさんのことを学んできました。小学校、中学校、高校、大学、勤務先、本、映像などからたくさんのことを学びました。その内容は人生の先輩たちから生きるための知識や知恵などをわかりやすくまとめて提示されたものです。
私たちの知識であるとか考え方は、そのほんとんが今まで学んできたことの組み合わせです。自分でオリジナルの新しい概念を発見することはとても難しいことです。
同じように自分ひとりの能力だけで抽象度を上げようとしても大変なのです。そこで抽象度を上げるために抽象度の高い他人の能力を学び真似るのです。平たく言えばパクります。
学習とは先人の知識や知恵から学ぶことであり、それを真似て覚えて実生活に生かすことです。パクリです。学習とは罪に問われないパクリなのです。
学習がパクリだとわかれば、やることは簡単。
抽象度を上げるためには、抽象度の高い人の考え方をパクればいいのです。
抽象度の高い人から学びかつ真似て、自分のものとしてしまうのです。
では抽象度の高い人から学ぶためにはどうすれば良いのか?
1つ目として、抽象度の高い人とお近づきになることです。
親しくなってその人の考え方、価値観、物の見方、行動パターンなどなどを観察していきます。ファンや追っかけ的なミーハーな視点ではなく、師から学ぶという視点で観ていくと抽象度を上げるためのヒントがたくさん観えてきます。
2つ目として、抽象度の高い人の書いた本を読むことです。
その読み方としておすすめしたいのが、その著者があなたの師であり、また友人としてあなたに対して語り掛けているという臨場感を持って読むことです。幸いなことに私たちは書物を通して、世界中の過去の偉人たちの考えに触れることができるのです。
巨人の肩に乗る
かつて有名な科学者のニュートンが同じく科学者であるフックに向けた書簡に書いた言葉で『私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。』があります。
「巨人の肩の上にのる矮人」(きょじんのかたのうえにのるわいじん)という言葉は、西洋のメタファーであり、現代の解釈では、先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見することを指す。「巨人の肩の上に立つ」、「巨人の肩に座る」、「巨人の肩に登る」、「巨人の肩に乗る小人」、「巨人の肩に立つ侏儒」などの形でも使われる。科学者アイザック・ニュートンが1676年にロバート・フックに宛てた書簡で用いた、『私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。』という一節を通してよく知られている。このニュートンの手紙が原典だと信じられていることも多いが、最初に用いたのは12世紀のフランスの哲学者、シャルトルのベルナールとされる。
また、参考として中世の人文学者ソールズベリのジョンが1159年の著書『メタロギコン』で次のように述べた箇所があります。
私たちは巨人の肩の上に乗る小人のようなものだとシャルトルのベルナールはよく言った。私たちが彼らよりもよく、また遠くまでを見ることができるのは、私たち自身に優れた視力があるからでもなく、ほかの優れた身体的特徴があるからでもなく、ただ彼らの巨大さによって私たちが高く引き上げられているからなのだと。
ソールズベリのジョン『メタロギコン』
要は「偉大な先人たちの築いた抽象度の高い世界を見せてもらうことによって、自分たちもその抽象度の高い世界まで引き上げてもらった」ということを言っているのです。「巨人の肩の乗る」とは抽象度の高い人と同じ高さの視点で物事を見ることが出来るということです。
あなたも抽象度を高く引き上げたいと思うのであれば、巨人の肩の上に乗ることです。巨人の肩の上に乗って抽象度の高い世界を見せてもらうことです。
抽象度の高い人や書物などから偉大な先人の力を借りて、そこから学び真似ることであなたも自分の抽象度を上げることが出来るのです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。