前回の記事は自覚がなくとも—そういう心の動きは、興味、関心として表に現れるでした。

 

今回も前回に引き続き、小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。前回同様に言峰綺礼とアーチャー(英雄王・ギルガメッシュ)の会話シーンです。

 

ちなみに、小説『Fate/Zero』の著者は虚淵玄さんなのですが、たぶん漢字の読み方がわからない人が多いのではないでしょうか?ということでちゃんと紹介しておきます。虚淵 玄は(うろぶち げん)と読みます。

無意味さの忘却。苦にならぬ徒労(Fate/Zero)

「なあ綺礼よ。もういい加減に気付いてもいいのではないか?この問いかけの本質的な意味に」

「……何だと?」

(略)

「教えろ、アーチャー。間桐雁夜の勝利を仮想することに、一体どういう意味がある?」

「ないさ。意味など微塵もない。——おいおい、そう怖い顔をするな。何度も言うが、我はお前をからかっているわけではない。

考えてもみよ。その思弁の無意味さに、ついぞ言峰綺礼が‟気付かなかった”という事実。そこには明白にして揺るがぬ意味があるとは思わぬか?」

(略)

「説明しろ、アーチャー」

「もし仮に、他のマスターについて同じ課題を与えられていれば、お前は早々にその無意味さに気付き、詮無いものとして一蹴していたはずだ。ところがカリヤについては、そうならなかった。お前は平時の無駄のない思考を放棄し、延々と益体のない妄想に耽っていた。

無意味さの忘却。苦にならぬ徒労。即ち、紛れもなく『遊興』だ。祝えよ綺礼。お前はついに『娯楽』の何たるかを理解したのだぞ」

「……娯楽、即ち、愉悦だと?」

「然り」

虚淵玄『Fate/Zero 4 散りゆく者たち』

 

やりたいこと、ゴール設定につながる話しです。

『Fate/Zero』のアーチャーの文脈で言えば愉悦の話しです。

 

無意味さの忘却。苦にならぬ徒労。即ち、紛れもなく『遊興』だ。祝えよ綺礼。お前はついに『娯楽』の何たるかを理解したのだぞ

 

多くの人はお金に執着しています。僕もお金は大好きなので、お金に執着する人を批判するつもりは毛頭ありません。

 

ただし、お金それ自体は何かしらの物やサービスを得るたり提供するための道具のようなものです。そのお金に対して何よりも評価や優先度を高くして、お金を行動する基準にしている人が見受けられます。

 

多くの人は楽しい人生だったり充実した人生を送りたいと思っているはずですが、それよりもお金をいくら稼ぐか、お金をどれだけ増やすかといったことにばかり目がいているということです。

 

まぁ、お金を稼ぐためにしっかりと真面目に働き、嫌なことでも我慢して続けることが良いことだという世間の常識が刷り込まれているのでしょうがない部分もありますが、それだけではお金に支配されている人生になってしまいます。

 

繰り返しますが、お金を稼ぐことだったり執着することを否定してはいません。言いたいことは、あなたが価値観を測るための基準をお金だけにするのではなく、他のいろいろなことにも目を向けいろいろなことに自分なりの価値を見出してほしいということです。

 

無意味さの忘却。苦にならぬ徒労

 

あなたは子供の頃に、何かに夢中になって遊んだことがあるかと思います。時間を忘れて今から考えればずいぶんとくだらないことに没頭したり、疲れなんて知らずにひたすら楽しむことに本気で熱中していたのではないでしょうか。

その遊びは今思えば何の意味もなかったようなこともあったでしょう。しかし、そんなことはお構いなしに、時には周りの人に馬鹿にされようが親に叱られようが、我関せずで自分の世界に入り込んでいたのではないでしょうか。これが娯楽であり愉悦なのです。

 

もし仮に、他のマスターについて同じ課題を与えられていれば、お前は早々にその無意味さに気付き、詮無いものとして一蹴していたはずだ。ところがカリヤについては、そうならなかった。お前は平時の無駄のない思考を放棄し、延々と益体のない妄想に耽っていた

 

大人になりお金だけを価値の判断基準としてしまったり周りの目を気にするようになると、お金にならないことや常識から外れたことに対し目を背けがちになります。それはそれで合理的な生活なのかもしれませんが、ただただ同じことを繰り返すだけの人生で終わってしまうかもしれません。

 

人生の楽しみや、本当にやりたいことというのは、世間の常識や周りの人に決められることではなく、あくまでも個人的なことです。そしてそれは、金銭的な価値観や周囲の人の目など関係なしに、知らず知らずのうちに没頭してしまうことにヒントが隠されています。もしくは過去に没頭していたことがそれかもしれません。(時間つぶしでするようなネットサーフィンやスマホゲームのようなことは除く)

 

あなたの愉悦はあなたの中に存在します。しかし探そうとしないとそれは見つかりません。探すとは意識することです。意識していないと、その状態があなたにとって当たり前すぎてスルーしてしまうので気づくことができません。

 

あなたがお金や時間や疲れなどを忘れて没頭していることは何なのか?なければいろんなことを経験してみることです。そしてあなたの愉悦が見つかったら、お金を稼ぐことの時間と同じように、愉悦の時間もあなたの生活の中にしっかりと確保するようにしましょう。

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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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