前回の記事は「実力を上げたいなら土台作りを継続すること」でした。
体の中に新しい神経回路を作るように基本を繰り返し土台を作る
体を使うようなことで新しいことを始めると、自分の体のことがわかったりします。
僕は高校の部活道で空手を始めた時に、自分の体が自分の思い通りに動かないことに愕然としました。
まず体がかなり固くて、まったく柔軟性が全くない。まぁそれは自分でもわかってはいたのですが、自分の想像以上に足が上がらず、蹴りの練習がへんちくりんな動作になってしまいます。
それでも柔軟性のなさは想定内だったのですが、想定外のことで自分の体を動かせないことも判明しました。
それは足の指を動かすことです。
蹴りの練習の時、特に前蹴りと横蹴り(蹴込み)の時には、足の指をある特定な状態にします。
前蹴りであれば、5本の指を反らします。
横蹴りであれば、親指だけを反らして他の4本は屈曲させて足刀という形にします。
(これは飛び蹴りです)
だがしかし、先輩にそのように指導されても、僕の足の指は思うように動いてくれません。
特に足刀の方はまるっきりダメです。親指を動かそうとすると他の指も同じように動いてしまうのです。
これは今まで足の指を動かすということをしたことがなく、そのことを意識することもなかったため足の指を個々に動かす神経回路が通っていない状態と言えます。
強くなるとか技を磨く以前に、技を使う身体にもなっていないとも言えます。
「さて、じゃあまずは基本中の基本、魔術回路の作り方だ。君の体に魔術を通すためのラインを作り出す。これは生まれつき備わっている神経などとは違う本来はないものだ」
『Fate/Zero オリジナルドラマCD』
空手ということで引用文の魔術回路とは意味合いは違うかもしれませんが、その武術や競技に特有な身体状態を作るということで言えば考え方は一緒です。
今までの生活の中で無意識でいたところに意識を持ってくる。さらにその部分を操作できるようにする。これは気功そのものです。
さて、当時の僕は格闘技で強くなりたかったので、出来ていないことに対しては必死になって出来るようにしようとしました。
身体の柔軟性については、部活中でも柔軟体操をやらされますが、家でも毎晩風呂上りに欠かさずやっていました。たしか高校卒業する時くらいまでは毎日やっていたかと思います。今でも身体の点検的な作業は毎晩やっているので柔軟性は空手をやり始めの頃とは見違えるほどに柔軟性を身につけています。
足の指については、湯舟につかりながらの中でグーチョキパーを繰り返しやりました。で、足の指の方はひと月くらいで足刀がしっかり出来るようになっていたはずです。これは足の指の個々を使える神経が通るようになったということです。
僕はこの時期の経験から、出来ないことでも、やりたい気持ちがあってコツコツと継続すれば出来るようになるということを体感し、その後いくつかのことにチャレンジした時でも基本そのマインドでこなしているので、結果を出そうと焦ることなく自分の出来ることをとにかくコツコツやるというスタイルでやってきています。
やり方を間違えずに継続してコツコツ鍛錬すれば、よほど特殊なことでもない限り、身につけることは可能なはずです。
ただし、やったことのないことであれば時間はかかります。
まずはそれ特有の神経回路を作り意識してそこを鍛え、それが無意識に使えるようになるまでの時間は最低限必要です。
私たちは座学でひと通り学ぶと、それが出来るようになったと勘違いしがちです。
運動などの身体競技であればさすがに座学でマスターしたと思う人はほとんどいないでしょうが、気功やコーチングであっても無意識に使えるようになってはじめて「そこそこ出来る状態となってきたかな」くらいのレベルになります。
前回のブログで書きましたが、土台作りはとても重要であり、そこをおろそかにしてしまうと本当の実力が身につきにくくなってしまいます。
新しいことに挑戦する時は、大きなゴールを描きながらも、日々の鍛錬では自分の体の中にしっかりと土台を築くことが大切です。
基本を身につけることが極意だと思っておいて間違いないです。(たぶん)
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。