前回の記事は俺が負けねえと思っている間は、負けはしねえんだ(牙)でした。

 

前回、前々回と少しばかりハードボイルドな感じの展開でしたので(引用部分だけを見ればそうでもないかもしれませんが)、その分、今回はハードボイルドとは逆方面にあたる正統派の説法をお届けしようかと思います。弘法大師 空海の登場です。

今を生きることが大事なんだ(弘法大師空海)

空海「わたしは彷徨いながら様々な人と出会い 触れ合って思いますに  みな死の恐怖にさいなまれ 安心のない心を抱えて生きていました」

「なぜなんだろう  なんとか安心はさせられないものだろうかと  わたしは悩みました」

遊仙「うんうん  答えは見つかったかね」

「はい  わたしはこう思いました  今だと  今を生きることが大事なんだと……」

「今…」

「はい  人はみな過去に生きています  過去の色々な想いの中に生きています」

「きのうや今日  一年前十年前と  過去を積み重ねそれが人格となっています」

「うん」

「過去から今を見て 今を想うから  死の恐怖が忍び寄ってくると思います」

「過去を切り捨てて今を生きれば  今 精一杯生きれば死の想いが忍びよることはできません」

ジョージ秋山『弘法大師空海』第6巻

 

ジョージ秋山先生の空海です。この漫画では、いい意味でも悪い意味でも(僕は好きですが)ジョージ秋山の世界が展開されていますが、空海自身についてはとても真面目で堅物な印象を受ける人物として描かれています。

文庫版(文庫サイズのコミック)も出てますね

空海が描かれている漫画では、おかざき真理さんの最澄と空海の物語を描いた『阿・吽(あうん)』も読んでいるのですが、こちらに出てくる空海はまるで野生児のような印象を受けます。

で、本題に入ります。

多くの人は人は、不安や悩みを抱えています。不安や悩みは恐怖であり、何の恐怖かと言えば安心して暮らすことが出来なくなるという恐怖であり、最終的にそれはは死の恐怖に行きつきくことが多いです。

 

人はみな過去に生きています 過去の色々な想いの中に生きています
きのうや今日 一年前十年前と 過去を積み重ねそれが人格となっています

 

なぜ、私たちが安心して暮らせないかと言えば、私たちは過去に生きているからです。過去に生きているというのは、私たちの目の前にある世界と、その延長線上にあると仮定した未来の世界は、すべて過去の情動記憶によって重要だと決められた世界だということです。簡単に言えば、私たちの目の前の世界は、過去の経験に基づく情報に過ぎないということです。

 

過去の経験に基づく情報の中で生きているから、私たちは過去に生きていると言っているのです。そして毎日過去に生きることを繰り返すことが習慣となり、あなたの人格も形成します。習慣化すると無意識で自動的にするようになるので、この流れはなかなか止められなくなります。

 

過去から今を見て 今を想うから 死の恐怖が忍び寄ってくると思います

 

そして、あなたの人格、無意識、習慣は、昨日と同じ今日、今日と同じ明日が来ることを想定しています。なぜならそれが安心だからです。毎日この安心の中にいると、今度はその安心を壊してしまうかもしれない何かに対して不安を感じます。そしてその不安がまた習慣として続いていくのです。

 

過去を切り捨てて今を生きれば 今 精一杯生きれば死の想いが忍びよることはできません

 

人がどうにかして安心して暮らせるようにならないかと考えて、空海の出した答えが「今を精一杯生きること」です。そして、そのためには過去を切り捨てなければなりません。

 

過去を切り捨てるというと、そんなことをどうやってするのだと思われる人もいらっしゃるでしょう。この過去を切り捨てるを簡単に言えば、今していることに意識を上げることです。これをお釈迦様に言わせれば「止観」であり、最近はやりの言葉で言えば「いまここ」になります。

過去を切り捨てるとは、過去に流されないということです。無意識の習慣に流されずに、今していることを意識に上げて観察することです。意識に上げれば、それは書き換えが可能であり、過去に生きている自分を、今この瞬間に変えることが出来るのです。

 

コーチングでは、その過去に生きている自分を書き換える基準として、「ゴール側の自分ならどうするだろうか」「理想とする自分だったらどう行動するだろうか」を意識して使います。

 

ということは、そこに現れるのは過去に生きている自分ではなく、今を精一杯生きている自分になります。今を精一杯生きることを続けている人にとっては、必要のない過去は書き換える材料にしかならないのです。

 

不安や恐怖に頭を思い悩ませる時間があったら、自分がどうしたいか、自分がどうなりたいのかを考えている方が、実生活でも精神的にもあなたに良い影響を与えることは間違いありません。

 

過去の習慣に流されないための第一歩は、自分の今していること、自分の今 考えていることに意識を上げることです!そして、今のあなたが出来る最高の自分をそこで表現することなのです!!

 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

おすすめの記事