一生涯、お忘れにならないように、何度もくりかえしていただいているのです(アーサー王の世界Ⅱ)

前回の記事は「気にする」と「気にしない」とエネルギーの循環でした。

一生涯、お忘れにならないように、何度もくりかえしていただいているのです(アーサー王の世界Ⅱ)

「気にする」とは「意識に上げる」ことです。

何か新しいことを身に付けようとする場合は繰り返し行うことです。

 

まずは自分がやろうとすることを意識に上げる。

そしてそれを習慣化またはルーティーン化するようにして定期的に続けて行います。

 

習慣化されると、わざわざ意識に上げなくても身体が勝手に動いてその作業をしてくれるようになります。無意識に出来るようになっている状態です。

 

このような意識しなくても無意識に出来るようになってはじめて身に付いたと言える状態といえるでしょう。

 

たとえば、プラスの言葉を使うことを習慣化させようと意識しているうちは、まだ身に付いてません。意識して使い続けているうちにそれが習慣化されて、意識しなくても当然のようにプラスの言葉を使い続けるようになっていたらそれは身に付いたと言えます。

 

無意識だったことを意識に上げて無意識に戻す。

無意識→意識→無意識

この順番です。

 

コーチングや自己啓発で活用するアファメーションもそうです。

 

今まで明確に意識していなかった、なりたい自分や叶えたい願望を意識に上げる。

なりたい自分や叶えたい願望を定期的に繰り返し唱えて、その言葉や気持ちがいつも意識に上がっているようにする。

なりたい自分や叶えたい願望をわざわざ言葉に上げなくても、そのゴールに向かって行動するようになっている。

アファメーションとは、このように自分の願望を意識に上げて唱え続けることで、無意識にそのための行動が出来るようにするために行うものです。

 

アファメーションは、願いを唱えていれば枕元にプレゼントを置いてくれるサンタクロース的な働きではなく、なりたい自分や自分の願望に向かって行動するためのツール(道具)です。

 

さて、中世の騎士道物語であるアーサー王伝説で、アーサーの世話(教育)をしている大魔法師マーリンがアーサーに戴冠式で述べる誓いの言葉を教えて、それを何度も練習させるシーンがあります。短い言葉だったのに何度も繰り返し言わされるのでアーサー王は「もういいではないか」というシーンがあり、それを引用します。

 

そしてまたその次の日も、大魔法師マーリンはアーサーに、何度も何度もその言葉を繰り返させたのだ。

「三日も練習すれば、戴冠式の日に、言葉を忘れるようなことはない。もういいではないか。」

とうとうアーサーが音をあげてそう言うと、大魔法師マーリンはきびしい顔つきで言った。

「戴冠式の日に忘れることはないですと?それでは不十分です。戴冠式の次の日も、その次の日も、そしてその次の日も、次の月も次の年も、そのまた次の年も、一生涯、お忘れにならないように、何度もくりかえしていただいているのです。陛下。言葉の練習をしていいるのではありません。言葉が陛下のお心の深いところまで、しみこむようにしているのです、さあ、もう一度!」

斉藤洋『アーサー王の世界Ⅱ 二本の剣とアーサーの即位』

 

大魔法師マーリンがアーサーにさせているのがまさにアファメーションです。

マーリンは戴冠式のためだけでなく、アーサーの無意識にその誓いの言葉をしみこませたくて、またただの言葉ではなく本当の誓いとしての意味を持たせるために、その言葉を何度も繰り返させています。

 

ちなみに誓いの言葉はこれです。

 

「この国のあらゆる貴族、騎士、平民に対し、真の王者として、生涯、正義にそむくことはありません。」

 

王となったからには、この言葉を口先だけではなく、真の王者の在り方としてマインドセットされてしかるべきであり、一生涯忘れずに持っていて欲しいから、マーリンは何度もこの短い言葉をアーサーに繰り返させるのです。

 

この言葉は戴冠式に述べる誓いの言葉ですが、アファメーションもある意味では自分に対する誓いの言葉です。

 

ただただ自分の願望を叶えるために唱えるのではなく、自分はこうありたい、これを成し遂げたいということをいつも忘れずに心に刻み込むための誓いの言葉として定期的に繰り返し唱えるのです。

 

そしてその言葉を意識に上げてそのように行動し続けて、習慣化させて無意識にまで落とし込んで行くことが目的となるのです。

 

「戴冠式の日に忘れることはないですと?それでは不十分です。戴冠式の次の日も、その次の日も、そしてその次の日も、次の月も次の年も、そのまた次の年も、一生涯、お忘れにならないように、何度もくりかえしていただいているのです。陛下。言葉の練習をしていいるのではありません。言葉が陛下のお心の深いところまで、しみこむようにしているのです、さあ、もう一度!」

 

あなたが手にしたいマインドセットがあるのであれば、何度も何度も心にしみこむように唱えて、またそのように行動してみましょう!!

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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