あなたが心から望む欲望は何ですか?
前回の記事は「雰囲気としか言いようのない空気の感触~あなたの気が作る場の情報」でした。
今回も前回に引き続き、小説『Fate/Zero』からの引用でスタートです。今回も7人のマスターのひとりである言峰綺礼と、遠坂時臣のサーバントであるアーチャー(ギルガメッシュ)の登場シーンです。
『Fate/Zero』の主要登場人物一覧→Fate/Zeroアニメ公式サイト
より詳しい人物相関図が知りたい人はこちら→電撃オンライン公式サイト
理想もなく、悲願もない。ならば愉悦を望めばいいだけではないか(Fate/Zero )
「私には……べつだん望むところなど、ない」
迷いを孕んだ綺礼の返答に、アーチャーの赤い瞳が妖しく光る。
「それはあるまい。聖杯は、それを手にするに足る者のみを招き寄せるのではなかったか?」
「そのはずだ。が……私にも解らない。成就すべき理想も、遂げるべき悲願もない私がなぜこの戦いに選ばれたのか」
「それが迷うほどの難題か?」
綺礼の硬い表情を茶化すかのように、アーチャーは失笑した。
「理想もなく、悲願もない。ならば愉悦を望めばいいだけではないか」
「馬鹿な!」
綺礼が声を荒らげたのは、まったくの無意識のうちだった。
「神に仕えるこの私に、よりにもよって愉悦など——そんな罪深い堕落に手を染めろと言うのか?」
「罪深い?堕落だと?」
色めき立った綺礼を前にして、アーチャーはますます面白がるように底意地の悪い笑みを返す。
「これはまた飛躍だな、綺礼。なぜ愉悦と罪が結びつく?」
「それは……」
綺礼は返答に詰まった。同時に、いったい自分がいま何に触発されて狼狽を露わにしてしまったのか、それすらも解らず途方に暮れた。
押し黙る綺礼をからかうように見据えながら、アーチャーはしたり顔で先を続ける。
「なるほど悪行で得た愉悦は罪かもしれん。だが人は善行によっても喜びを得る。悦そのものが悪であるなどと断じるのは、いったいどういう理屈だ?」
虚淵玄『Fate/Zero 2 英霊参集』
人が迷う理由は単純です。どうしたらいいのかがわからないから迷うのです。
それはすなわち、ゴール設定が出来ないということです。
人は何をするのにも、行動する時はだいたいはゴールをイメージして行動します。それは夢や目標というようなことだけではなく、日常の些細なことでも一緒です。例えば、会社に通勤するのであれば、家を出る時に会社に着くことをゴールとして出かけます。料理をする時は、出来上がりをイメージして作ります。
私たちは目的があるから、それに向かって行動します。目的がなかったり何をしていいのかがわからないと途方にくれます。新卒で入社した社員が、何の指示も与えられずに何時間もほおっておかれたら、何もしていないにもかかわらず迷いによる不安や緊張感で精神的に疲れてきます。そんな時はどんな仕事であれ指示(ゴール設定)をしてもらえると安心して行動することが出来ます。
ゴール設定でも、日々の行動のようなルーティン化したゴールについては無意識が勝手に設定してくれますが、コーチングなどのような自分の人生をどうにかしたいというような大きなゴールや理想を掲げるとなると、なかなか上手くゴール設定が出来ない人が多く見受けられます。
そのゴール設定が上手く出来ない人の多くに共通して感じることが、立派で高尚で誰からも素晴らしいと称賛されるようなゴールを設定しようとしていることです。よく例えに出されるのが「世界から飢餓をなくす」とか「宇宙の平和を守る」のようなゴールです。またそのような立派なゴール設定が出来ないことに引け目すら感じてしまう人もいます。
たとえ「世界から飢餓をなくす」とか「宇宙の平和を守る」のようなとても立派なゴール設定をしたとしても、そのゴール設定をしてあなたはいったい何をしたいのか、毎日毎日「宇宙の平和を守る」ために何よりも優先して具体的な行動を取りたいのか、そこのところが何もないと、そのゴール設定自体に何の意味もなくなってしまいます。(これは何も「世界から飢餓をなくす」とか「宇宙の平和を守る」が悪いといっているわけではありません)
ゴール設定とは、あなたが心から望んで欲していることであり、それが出来るのであれば多少の犠牲なんて構ってられないくらいな貪欲さが必要です。なので高尚さよりも、むしろあなた自身の欲望の方に目を向けて欲しいところです。
あなたの本当にやりたいことをやって、その結果として成功や成長につながることが重要なのです。もっと言えば、毎日を楽しく充実した気持ちで過ごすことが一番大事です。そのためには、あなたが心から欲してやまないほどの欲望を素直にゴール設定とするべきです。
理想もなく、悲願もない。ならば愉悦を望めばいいだけではないか
要は、まずは自分を満たせということです。もっと自分の人生を楽しむことに貪欲になっていきましょう!!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。