新しい行動のための準備のシュミレーションをしてみる
前回の記事は「自分で決めた交換条件だ~自分の人生を生きる方法」でした。
今回も前回、前々回に引き続き、ハードボイルド小説『初秋』(ロバート・B・パーカー著)からの引用でスタートです。
どんなことをしたらいいの?ーでも、怖いんだ(初秋)
「いいか、自分がコントロールできない事柄についてくよくよ考えたって、なんの益にもならないんだ。そういうことは、もうそろそろやめるべきだ。きみは惨めな生活をしてきたし、状況が好転するとは思えない。そろそろ成長しはじめるべきだ。しゃべるのをやめて、準備にとりかかるべき時だ。わかるか?」
「なんの準備に?」
「これから先、どういうことになろうと対応できる準備だ。きみが今のくだらない家庭生活から抜け出る途は、早く大人になることだから、どうせなら今から始めたらいい」
「どんなことをしたらいいの?」
「おれが言うことをやるんだ。それも、できるだけ泣きべそをかかないでやるんだ」
「でも、怖いんだ」ポールの口調が怒りを含んでいた。
「それが正常な状態だ。だからといって、やるべきことはやらなければならない」
『初秋』ロバート・B・パーカー著
人はなかなか変わりません。それはあなた自身がよく知っていると思います。自分を理想の自分に変えようと思っても、習慣として無意識に刷り込まれている思考パターンや行動パターンはなかなか変えることは難しいです。
変わろうと思っている人がなかなか変わることが出来ないのですから、変わろうと思っていない他人を変えようとするのはもっと難しいことです。
だから、あなたが今の状況に対して不満を感じているのであれば、あなたがその場所から立ち去るか、あるいはあなた自身が変わっていくことが不満を解決する方法になります。(場の空気や、他人の書き換えが出来る人はその選択肢もあります)
あなたがその場所を立ち去るにしても、自分を変えるにしても、どちらにしても今の不満な状況を好転させるために、あなたには今までしてこなかった新しい行動が必要になってきます。
ということは、人が今自分が置かれている状況に不満を抱えている時に考えることは、今の状況に不満を抱えながらも我慢して同じことを続けていくか、今の状況を抜け出すためにこれまでしてこなかった新しい行動を始めるか、大きく分けてこの2つの選択肢から選ぶことになります。
ここで多くの人が選ぶのは、今の状況に不満を抱えながらも我慢して同じことを続けていく現状維持です。なぜ多くの人が現状維持を選ぶかと言えば、新しい行動を起こすことに対して恐怖を感じているからです。
でも、怖いんだ
新しい行動をするということは、その先がどうなるかが予想できません。どうなるかがわからないことが恐怖となって新しい行動を起こすことを踏みとどめてしまいます。どうなるかがわからないということが、明日も明後日も不満な状況にいるよりも嫌だということです。
これは、今まで先が見えるところしか進んでこなかった人によく見られるケースです。まぁ不満があっても安定しているということはそれだけで精神的な支えになるので、その気持ちはわからなくはないです。
しかし、不満を抱えて生きていくということは精神的にも肉体的にも、ましてやその人の人生にとっても決していいことだとは言えません。不満というのは、たとえその状況に慣れたとしてもあなたに確実にダメージを与えてしまうからです。
だから、すぐにでも新しい行動を選択しましょう!!と、言いたいところですが、行動に怖さを感じている人に無理やりさせてもあまりよろしくありません(いい場合もあります)。こういうことは、本人がその気になることが重要だったりします。
しかしながら、今は勇気が出ないけど出来ることならなんとか行動できる自分になりたいと思っている人もいると思います。今回はそんな「すぐには行動できないけど今の状況を何とかしたい」あなたに向けて、その状況を打破するためのシンプルで効果的な方法を紹介します。
「いいか、自分がコントロールできない事柄についてくよくよ考えたって、なんの益にもならないんだ。そういうことは、もうそろそろやめるべきだ。きみは惨めな生活をしてきたし、状況が好転するとは思えない。そろそろ成長しはじめるべきだ。しゃべるのをやめて、準備にとりかかるべき時だ。わかるか?
その方法とは「新しい行動のための準備のシュミレーション」をすることです。今すぐには行動しないけれども水面下で極秘に計画を立てるのです。(引用の『初秋』の方では、行動にための実際の準備をします)
何のシュミレーションかといえば、あなたがその場所から立ち去るか、あるいはあなた自身が変わっていくことなどの新しい行動のためのシュミレーションです。
例えば、半年後を目安に会社を辞めて新しいことを始めようとする仮の計画を立てます。あくまでも仮の計画です。あくまでも仮の計画ですが、そのためにどうするのかを企画書のようにしっかりと計画を立てていきます。その仮の計画を実行するために何をすればいいのか、どんな行動を取ったらいいのか、どんなメリットとデメリットがあるのか、失業保険はどのくらいもらえるのか、辞めた後にどうするのかなどについてを調べたり考えたりすると、今まで見えていなかったことが具体化していきます。これを行動に移すのではなく、すべて極秘に水面下で行います。
これが「新しい行動のための準備のシュミレーション」です。で、なぜこの方法を紹介したかと言えば、この方法を使うことによって実際に行動に移すことへの恐怖が減ってくるという効果があるからです。
新しい行動に対する恐怖とは、先の見えないことに対する恐怖でもあります。しかし、あくまでも仮の計画として「新しい行動のための準備のシュミレーション」を進めて行くと、見えていなかった先の未来が正確ではないにしても、なんとなく見えるようになってきます。
そして、なんとなくでも見えるようになることで、今までは新しい行動なんてとんでもないと思っていたのが、いざとなったらその計画どおりの行動で何とかなるのではないかと思えるようになってきます。その結果、実際に新しい行動に進むことが出来てしまうことがあります。
たとえ今すぐに行動できなくても、水面下で極秘に「新しい行動のための準備のシュミレーション」を計画することで、自然とそれが行動のための本当の準備になったりするのです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。