自分を変えたいなら、自分の理想とする在り方を決める

 

前回の記事は『Fate/Zero』早わかりガイドと主要登場時人物の紹介でした。

今回は通常運行に戻り、小説『Fate/Zero』からの引用でスタートします。

衛宮切嗣のサーヴァントであるセイバー(アーサー・ペンドラゴン)の騎士の王としての在り方についてです。

それは騎士の王たる者の貴すぎる在り方だった(Fate/Zero)

きっと彼女にとっては、手傷の多さも膂力の差も、勝負においてはあくまで二次的な要因に過ぎないのだろう。アルトリアの剣に勝利をもたらす最大の要素とは、いかにその戦意を曇りなく研ぎ澄まし得るか、その一点に懸かっているのだ。

自らの迷いを断つためならば、腕一本すら惜しくはない。——胸に秘めた誇りこそ最大の武器と弁える、それは騎士の王たる者の貴すぎる在り方だった。

虚淵玄『Fate/Zero 4 散りゆく者たち』

 

在り方についての話になります。

在り方とは生き方です。どう生きていくのかという信念体系(ブリーフシステム)や、どう行動するのかというマインドセットとも重なります。簡単に言えば、自分がどのような人間で在りたいかということです。

 

今の自分を変えたい時に、まず必要となることは自分がどうなりたいかという、なりたい自分の理想像です。理想の状態があるからこそ、その理想に向けた具体的な行動をすることが出来ます。

コーチングの神髄をひとことで言ってしまえば、「在り方を決めて、その在り方通りに生きる」ということです。これが全てと言っても過言ではありません。

 

「こういう生き方がしたい」「あんな生き方に憧れる」

そういった、あなたが理想とするその姿、行動、考え方をそのまま体現すればいいだけなのです。

 

美徳を身につけていないのなら、せめてそのフリをしなさい。

ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』

 

ウィリアム・シェイクスピアといえば、Fateシリーズの『Fate/Apocrypha』では英霊サーヴァントとして登場していますね。(画像右下)

Fate/Apocrypha Blu-ray Disc BoxII(完全生産限定版)

それはともかく、意識して理想の自分であるフリを演じ続けることで、いつの間にか無意識に理想の自分になってくるのです。

 

これは武術やダンスなどのような鍛錬をしたことがある人であれば、身をもって経験していることだろうと思います。植芝盛平やブルースリー、熊川哲也やシルヴィーギエムなどの自分が理想とする人物の姿を臨場感高く思い浮かべて、あたかもその人であるかのように技や技術を繰り出そうとしたことがあるかと思います。

 

武術やダンスはだと動きを真似る部分だけにフォーカスしてしまいがちのになりますが、理想を演じ続けることは、在り方としての信念やマインドセットについても一緒です。実存する誰かを真似るでも自分の思い描く理想の姿を演じるでもいいので、自分がこう在りたいと思う信念を持って、そのマインドセットで普段から行動するのです。

 

自分の在り方、信念、マインドセットが決まっていて、普段からそれらを自分にセットしているといざという時に迷うことがなくなります。なぜなら自分がどういう在り方をするかが決まっているからです。

 

きっと彼女にとっては、手傷の多さも膂力の差も、勝負においてはあくまで二次的な要因に過ぎないのだろう。アルトリアの剣に勝利をもたらす最大の要素とは、いかにその戦意を曇りなく研ぎ澄まし得るか、その一点に懸かっているのだ。

 

セイバーが真剣勝負をする時の在り方で言えば、アルトリアの剣に勝利をもたらす最大の要素とは、いかにその戦意を曇りなく研ぎ澄まし得るかという一点にあって、腕力の差やケガの状態などは二次的な要因に過ぎないということです。生死の懸かった真剣勝負という普通ならビビッてしまうような場面であっても、戦意を曇りなく研ぎ澄まし得ることのみに集中することを決めているから、どうしたらいいかと迷う必要もないのです。

 

自らの迷いを断つためならば、腕一本すら惜しくはない。——胸に秘めた誇りこそ最大の武器と弁える、それは騎士の王たる者の貴すぎる在り方だった。

 

「いかにその戦意を曇りなく研ぎ澄まし得るか」という一点こそが大事であり、もしそこに腕のことが理由で迷いが生じるのであれば、その腕さえも惜しくはない。それほどまでに「いかにその戦意を曇りなく研ぎ澄まし得るか」アルトリアの剣に勝利をもたらす最大の要素だと信じています。

 

そして、その誇りこそが最大の武器であり、騎士王としてのセイバーの在り方です。いざという時にすることは、武器や体力や体調などに心を惑わされず「いかにその戦意を曇りなく研ぎ澄まし得るか」が出来ることその一点のみであり、それこそが自分に勝利をもたらすと信じています。

 

自分の在り方が決まっていると迷いを生じません、それはそのままその人の強さとなります。自信を持って自分の生き方が出来るということです。

 

自分の在り方を決めるということは自分に対して守るべきルールを自分で決めるということです。それは、他人に決められたルールに従うのではなく、自分で決めたルールに自分が従うことになります。

 

すなわち、自分の人生を生きていくというのは、自分の決めたルールに従って生きていくということなのです。

 

次回もマインドセットについての記事を予定しています。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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